建帛社だより 「つくし」

 平成29年9月1日号

幼稚園教育要領改訂,保育所保育指針改定と認定こども園教育・保育要領改訂

大阪総合保育大学教授  大方 美香

 る3月末,幼稚園教育要領(改訂),保育所保育指針(改定),幼保連携型認定こども園教育・保育要領(改訂)が同時に告示されました。
 育所保育指針の改定では「乳児の保育(0歳)」「1歳以上3歳未満児」の保育のねらいや内容に関する記載が「第二章 保育の内容」に位置づけられました。近年いわれる非認知的能力は生涯にわたって重要であること,その育ちは乳児期からの大人のていねいな対応や応答的姿勢,温かな受容等にあることを反映し,「応答的」という言葉が多く使われています。
 た児童福祉施設である「保育所」も「幼児教育を行う施設」であるとの位置づけが「第一章 総則」に記載されました。このことによって,三つの告示された3歳以上の幼児教育の姿は,同じ子どもとして同じ方向性をもったといえます。さらに「養護」が「総則」に位置づけられましたが,このことは,子どものあらゆる生活活動を通した心地よい体験が社会に適応していく人との関係性や情動の視点として重要であることを示しています。保護者支援の章は「子育て支援」となりました。子どもの虐待,子どもの貧困など,3歳未満児の保育を考える視点は,まさに地域の未就園の子育て支援も含めた役割が求められています。
 体的なこれまでの保育内容のねらいと内容は,「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿(10の要素)」として,具体的な姿が明確化されました(到達目標ではなく「育っていく姿としての方向性」を示しています)。保育内容五領域の改訂は,多くはありません。しかしながら,総則に書かれた各構造をとらえて,幼児教育における保育のプロセスを継承しながら,カリキュラムを「全体的な計画」としています。全体的な計画の下に,指導計画を中心とした各種の計画を位置づけています。
 れらは幼稚園・保育所・認定こども園で共通です。教科書がない幼児教育だからこそ,①子ども理解,②教育・保育目標,③保育の内容,④教育者・保育者の役割,⑤評価といった循環,カリキュラムマネジメントの視点が必要です。
 らに,小学校学習指導要領も同時に改訂されましたが「小学校入学当初においては,幼児期において自発的な活動としての遊びを通して育まれてきたことが,各教科等における学習に円滑に接続されるよう,生活科を中心に,合科的・関連的な指導や弾力的な時間割の設定など,指導の工夫や指導計画の作成を行うこと」と記載され,幼児教育と小学校教育のつながりが強調されました。
 ~18歳まで(社会的教育課程)の連続性を意識した視点は,三つの資質・能力で整理されています。幼児教育においては「知識及び技能の基礎」「思考力,判断力,表現力等の基礎」「学びに向かう力,人間性等」として示され,幼児教育の遊びや活動という独自性をもちながら,小学校とどのように接続していくかが問われています。