改訂 はじめて学ぶ社会福祉

著 者
発行年月日
2020年4月1日
ISBN
978-4-7679-5122-5
Cコード
C3036
定価 2,200(本体価格:2,000円) 在庫あり

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内容紹介

2019年度実施の保育士養成課程に対応の改訂版。各章に「アウトライン」を設けたことで,要点を把握して概要を俯瞰しながら学習できる。

まえがき

はしがき

 社会福祉(social welfare)の「社会」という言葉は,古くから「共同体」「仲間」という意味で用いられ,人間同士の連帯性を表していました。英語で社会を表す“social”“society”も同様の言葉として使われてきたという歴史があります。

 「福祉」という言葉は,ドイツ語の“Wohlfahat”という語が語源で,幸福,福利,安寧,公安,救護を意味し,望ましい状態にかえる,といった内容を含んでいるともいわれています。また,福祉という言葉の意味を英語の語源から探ってみますと,“welfare”は,“well”と“fare”とが合わさってできた語ともいわれ,楽しい旅行という意味から出発しているともいわれます。つまり,安全に暮らすこと,安寧,平穏を意味しています。さらに,福祉の「福」も「祉」も共に,「しあわせ」「めぐみ」「さいわい」という意味をもっていて,古くは宗教用語として用いられたようです。

 このように,社会福祉の意味は,「共同体に集う人々が助け合い,連帯して幸せな生活を追求し,守る」ということです。

 今日,福祉という言葉は国際的に“welfare”から“well-being”が用いられるようになってきました。“well-being”とは,“welfare”をさらに高めた用語で,「個人の権利や自己実現が保障され,身体的・精神的・社会的に良好な状態にあること」を意味しています。いずれにせよ,社会福祉を支える基本原理として,「人間尊重の理念」が根本にあります。

 人間尊重の理念とは,その第1に「基本的人権の尊重」です。社会福祉を推進する上では,利用者一人ひとりを個別的にとらえる必要があり,「日本国憲法」で個人の尊重がうたわれています。

 第2に,「ノーマライゼーション」思想です。ノーマライゼーションとは,地域で誰もが対等の生活を維持する,すなわち,障害のある人や高齢者などが,地域の中で普通の生活を営むことを当然とする福祉の基本的な考え方です。

 第3に,個人としての「自立」です。社会福祉の目的の1つは,個人が可能な限り「自立」を獲得することにあります。自立の原則は,自己決定と自己実現を利用者が獲得することにありますが,人間らしい生き方の選択は,利用者自らの選択にあります。

 第4に,「参加と連帯」です。人間は異質な人たち同士の集まりにおいて生活しています。地域社会でみんながノーマルに生活するということは,異質な者同士がその違いを認め合って共生することです。

 この4つの社会福祉を支える原理は,相互に支え合う概念であり,これらがそろうことで初めてノーマルな,人間としての対等な生活,すなわち,社会福祉が目指している社会と解されます。

 わが国では,2016(平成28)年に児童福祉法が改正され,「児童の権利に関する条約」に則る形で児童福祉の理念が改められ,子どもの福祉が“welfare”から“well-being”に近づきつつあるといえます。この改正が2017(平成29)年「保育所保育指針」「幼稚園教育要領」「幼保連携型認定こども園教育・保育要領」の新たな告示につながり,さらにそれが「指定保育士養成施設の指定及び運営の基準について」の改正につながっています。これにより,保育士養成課程の新しいカリキュラムが2019年度より始まりました。

 「社会福祉」の科目においては,教授内容の一部が改められ,主に子どもとその家庭への支援が強調されました。本書においてもこれに沿って内容を改め,最新のデータや今日的課題など加えて,このたび改訂版を発行しました。

 なお,このテキストを『はじめて学ぶ社会福祉』と題したのは,社会福祉を実践する養成校の学びの中で,まず第1に理解してほしい教科目が「社会福祉」だからです。その学びを学生の方々に理解していただくため,できるだけ平易な文章にしようと著者同士での話し合いで作成しました。しかし,法律や専門用語等,どうしても平易に解説できない部分もあります。そこで各章に,アウトラインとして「要点」と「キーワード」を設けました。これらを参考にして学びを深めてください。そして,保育現場も他の福祉現場でも,実践は「福祉の心」が欠如しては成り立たないということを十分理解してください。

 2020年3月

著者を代表して  松本峰雄 




目 次

第1章 生活と社会福祉

1.人権擁護と社会福祉

2.生活と社会福祉

3.社会福祉を取り巻く現状

第2章 社会福祉の理念と歴史

1.社会福祉の理念と概念

2.日本の社会福祉の歴史

3.欧米の社会福祉の歴史(イギリス,アメリカ,スウェーデン)

第3章 社会保障と社会福祉制度

1.私たちの生活を支える社会保障制度

2.社会福祉制度の概要

3.社会福祉を支えるための法制度

第4章 社会福祉の行財政と実施機関

1.社会福祉行政

2.社会福祉の実施期間

3.社会福祉財政の費用負担

第5章 社会福祉の施設と専門職

1.社会福祉施設

2.社会福祉の専門職

3.社会福祉専門職の職業倫理

第6章 子どもと女性の福祉

1.子ども家庭福祉の現状

2.子ども家庭福祉に関する法規

3.子ども家庭福祉の実施体制

4.母子・女性福祉

第7章 障害者の福祉

1.障害者の生活の現状

2.障害の概念と分類

3.障害者の福祉に関する法規

4.障害者福祉の実施体制とサービス

5.障害者福祉の今後の課題

第8章 高齢者の福祉

1.高齢者福祉に関する現状・問題

2.高齢者福祉の実施体制

3.介護保険制度

第9章 貧困と福祉

1.貧困問題

2.生活保護制度(公的扶助)とその原理・原則

3.生活保護の実際と今後

第10章 社会福祉における相談援助

1.相談援助の意義と役割

2.相談援助の対象

3.相談援助の理論と原則

4.相談援助の技術と展開過程

第11章 社会福祉における利用者の保護

1.私たちの人権と権利侵害について

2.福祉サービス利用者の権利擁護と苦情解決について

3.情報提供と第三者評価とは

第12章 社会福祉の動向と課題

1.少子高齢化への対応

2.在宅福祉・地域福祉の推進

3.共生社会の実現への取り組み

4.諸外国の動向

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書籍情報

シリーズ名・巻数
書籍名 改訂 はじめて学ぶ社会福祉
著 者
分 野
シリーズ
ISBN 978-4-7679-5122-5
Cコード C3036
定 価 2,200円 (本体価格:2,000円)
発行年月日 2020年4月1日
版型・装丁 A5 並製
ページ数 200ページ
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