三訂 新しい家族関係学

著 者
発行年月日
2023年2月1日
ISBN
978-4-7679-1450-3
Cコード
C3036
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定価 2,640(本体価格:2,400円) 在庫あり

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内容紹介

乳幼児期から始まり,子ども期,青年期,壮年期に生じる事がらを家族とのかかわりでとらえ,高齢期で終わるように章を構成。生涯発達を踏まえ,家族関係学を学ぶにあたっての基本的な用語を押さえ,家族の現実を理論や客観的なデータを使って説明するとともに,社会の変化を見据え,これからの家族のあり方にも言及した。 家族について学ぶ際の入門書となることを意図し,図表を多く掲載するとともに用語解説やコラムを加え,わかりやすい論述とした。各章の最後には学習課題を設け,大学等でのレポート課題としても取り組むことができる。 統計の更新等で最新の動向に対応した三訂版。

まえがき

はじめ

日本におけるここ60家族の変化をおおまか振り返ってみる。

196070年代は,経済の高度成長を背景に,男性仕事・女性家事育児という性別役割分業家族規範としても実態として広まっ1980年代は,「国際婦人(女性)年とそれに続く国連女性10の活動中で,性別役割分業女性社会参加を阻んでいること指摘れ,批判高まっ。性別役割分業をジェンダー(社会文化性別)でとらえる視点生まれた。

1990年代は,個人価値選好を優先する個人傾向家族領域まで及び,家族に関するそれまでのさまざま規範弱体。家族研究においては,性別役割分業情緒関係重視・子ども中心など特徴する,いわゆる最も家族らしい家族を「近代家族」ととらえ,それは普遍ものではなく,近代になっから誕生家族であるから,時代とともに変わりうるという見方

2000年代なると,経済の構造改革影響により正規雇用増え,経済格差広まり,家族形成・維持できる人々できない人々分断始まった。近年は,「近代家族」的規範流動し,日本において家族多様理解進み,多様家族あり方積極支援しようという取り組み増加している。しかし,経済格差さらなる拡大により,「近代家族」的家族であれ,従来家族規範とらわれない家族であれ,多くのさまざま生活上の困難に直面し,自らと家族の将来に不安感じている実情である

少子高齢と人口減少進行する中で,これから家族はどうなっていくのだろ。家族代わる新た社会システムは構築れるあろ2019年末からコロナ禍,家族にどのよう影響をもたらすのであろうか。

これから自らのライフコースを創る大学生こうした家族の現実を学び,家族について議論深め,自分家族とどのようにかかわっていくについて考えるため素材なることを意図して本書執筆れた。章の構成,乳幼児の「生まれる・育つ」から始まり,子ども,青年,壮年期に生じる事がらを家族とかかわりでとらえ,高齢の「支えられて生きる」で終わるよう配列。生涯発達を踏まえ,家族関係学学ぶにあたって基本な用語を押さえ,家族現実を理論や客観データを使って説明するとともに,社会の変化を見据え,これから家族あり方にも言及オーソドックス教科書である。

序章,家族定義と機能に言及し,家族関係学を学ぶ意義について述べている。第1章は子ども生まれ育つ家族社会概観し,子どもの育ちと家族地域社会関係を述べている。第2章は子ども直面している問題や子ども生きづら取り上げ,第3章若者のおかれている現状青年親子関係特徴について論じている。第4章は多様若者行動,医療技術の進歩と生殖の変化など状況,第5章皆婚社会終焉や日本結婚変化,第6章夫婦関係変化や発達,およびパートナーシップの現状と課題について論じている。第7章は離婚・再婚動向をとらえ,ステップファミリーの家族関係について考察している。第8章母親および父親子育ての動向とその社会支援を論じ,第9章ワーク・ライフ・バランス施策を紹介,現状と実践について説明している。第1012高齢関連し章で,第10ケアかかわる,第11高齢者社会関係生きがい,第12は支えられて生きるという側面から論じている。終章,これからの社会の変化と家族変化特徴述べ,家族つながり,家族を超えつながりをどう創り出していく言及している。

本書は,大学生家族について学ぶ際の入門なることを意図しているため,図表を多く掲載するとともに用語解説やコラム加え,わかりやすい論述を心掛けさらに,各章の最後,学習課題設け,レポート課題として取り組めるよう工夫。大学生だけでなく,家族について理解を深めたいと思っている人,是非,読んでいただきたい

今般,改訂発行から経過ため,一部記述を改めるとともに,
統計の更新を行い, 三訂版を刊行することとなっ。全体構成変更していない。より多くの方々に読みいただきたいと願っている。

最後に,出版快諾いただい帛社感謝申し上げたい 

20231

























編著

目 次

序章 家族関係学を学ぶにあたって 

1. 家族についての見方 2. 家族関係学を学ぶ意義 

第1章 生まれる・育つ 

1. 生まれる・育つ「社会」

2. 発達の基盤としての「家族」

3. 子どもの基本的生活習慣と家族

4. 子どもを取り巻く環境 

第2章 子どもが直面している問題 

1. 「子ども」とは誰か

2. 子どもをめぐる諸問題

3. 今の子どもの「生きづらさ」

4. 子どものエンパワメントを高める 

第3章 青年期の自立と親子関係 

1. 青年期の特徴と課題

2. 青年期の親子関係

3. 社会的自立に向けて 

第4章 セクシュアリティ,性,生殖 

1. 多様な性

2. 若者の性行動

3. 医療技術の進歩と生殖の変化

4. 子どもを産むということ 

第5章 パートナーの選択と結婚 

1. 皆婚社会の終焉

2. 結婚とは何か

3. 日本における結婚の変化

4. 結婚難への対応 

第6章 夫婦関係の諸相 

1. 夫婦関係とは

2. 夫婦関係の発達

3. 夫婦のパートナーシップの現状と課題

4. ドメスティック・バイオレンス 

第7章 離婚・再婚とステップファミリー 

1. 離婚の動向

2. 日本の離婚制度

3. 再婚とステップファミリー

4. ステップファミリーの家族モデル

5. 離婚・再婚後の家族関係のあり方 

第8章 子育てと子どもの社会化 

1. 「親になる」「親である」ということ

2. 母親の子育て

3. 父親の子育て

4. 子育てへの社会的支援 

第9章 ワーク・ライフ・バランス 

1. ワーク・ライフ・バランスとは

2. ワーク・ライフ・アンバランスな国,日本の現状

3. 子育てとワーク・ライフ・バランス

4. ワーク・ライフ・バランスのよい家族をつくるために 

第10章 親のケアにかかわるということ 

1. ケアの意味

2. 親との居住距離とケア

3. 男性の介護・女性の介護

4. 介護と仕事の両立

5. 介護ストレスと高齢者虐待 

第11章 高齢期の社会関係と生きがい 

1. 高齢期とは

2. 高齢者を取り巻く社会関係

3. ひとり暮らしの不安と問題

4. プロダクティブな高齢者

5. 幸せな高齢期を過ごすために 

第12章 支えられて生きる 

1. 要介護高齢者の動向

2. 高齢者の介護意識

3. 介護保険制度を利用する

4. 親しい人々との死別と適応 

終章 社会の変化・家族の変化 

1. 少子化・高齢化の進行

2. 結婚・家族・世帯の動向

3. 家族というつながり・家族を超えたつながり

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書籍情報

シリーズ名・巻数
書籍名 三訂 新しい家族関係学
著 者
分 野
シリーズ
ISBN 978-4-7679-1450-3
Cコード C3036
定 価 2,640円 (本体価格:2,400円)
発行年月日 2023年2月1日
版型・装丁 A5 並製
ページ数 224ページ
関連タグ