内容紹介
まえがき
はじめに
本書は,特別支援学校教諭免許取得に必要な科目の第 3 欄「免許状に定められることとなる特別支援教育領域以外の領域に関する科目」の学習に活用する目的でつくられました。
心身に障害のある幼児児童生徒には,ニーズに基づき合理的配慮を提供することが不可避です。本書では,各障害に対応した障害支援機器を用いて合理的配慮を提供する手法について説明してい
ます。
第 1 章では,その基本的な考えの元となる,障害者権利条約や障害者差別解消法などの関係法令等に触れながら,学習を支えるための支援機器の役割を解説します。
第 2 章では,障害別ではなく,困難別での支援機器の整理として,「読み書き」「見ること」「聞くこと」「動くこと」「コミュニケーション」「認知理解」「重複障害」といった項目で記述しました。これらは,近年普及がめざましい ICT 技術によってもたらされるものと,ICT 以外のもので整理をしています。
第 2 章が本書の中核となりますが,視覚障害,聴覚障害,知的障害,肢体不自由,病弱,重複障害,発達障害(LD 等含む)に必要な合理的配慮を概説するとともに,障害支援機器を用いた合理的配慮の提供事例について説明をしています。また,特別支援学校,特別支援学級,通級による指導,通常の学級等に関することにも触れ,各障害特性のニーズに合わせた合理的配慮の意義・効果について説明を加えています。
第 3 章では,教育課程や指導法として具体的に学校現場で行う際に押さえておきたい内容やアセスメントについて述べています。
第 4 章は,連携機関として福祉制度に関することや学習する際に参考にできるリソースを紹介しています。
特別支援教育に携わる方々にはもちろん学んでもらいたい内容ですが,通常の学級等で指導する教員にも本書を利活用いただければ幸いです。
2021 年 10 月
編著者 金 森 克 浩
大 杉 成 喜
苅 田 知 則
目 次
第1章 障害のある子どもの教育制度と基本的な考え方
1 障害者の権利に関する条約と障害者差別解消法
2 学校教育における合理的配慮とは
3 学習を支えるためのATについて
第2章 困難さに対応した支援機器の活用
1 読み書きの困難さ
2 見ることの困難さ
3 聞くことの困難さ
4 動くことの困難さ
5 コミュニケーションの困難さ
6 認知理解の困難さ
7 重複障害による困難さ
第3章 教育課程・指導法
1 障害のある子どもの教育課程
2 アセスメント
3 学校経営
4 個別の教育支援計画・個別の指導計画
第4章 支援機器を活用するための制度とリソース
1 福祉制度
2 リソース
この本をみた方に
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