持続可能な社会と人の暮らし

著 者
発行年月日
2024年2月1日
ISBN
978-4-7679-6522-2
Cコード
C3077
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専門書

定価 2,310(本体価格:2,100円) 在庫あり

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内容紹介

本書は、第25期日本学術会議健康・生活科学委員会家政学分科会の全11名の委員で構成する「持続可能な生活研究会」の編による。研究会以外にも多彩な分野の第一線の研究者が執筆に加わり、総勢19名がさまざまな論を展開している。
家政学は、総合的な視点で人間の生活の全体を捉え、それらを科学に基づいて探求し、人間がよりよく生きるための実践を行う専門分野であり、家政学分科会ではその専門性に基づいて、個人、家族・家庭生活やコミュニティのウェルビイーングを向上させることが社会の持続可能性を高めるという認識のもとで活動を展開してきた。
本書は、健康で豊かな生活のために必要な基礎的な知識を再確認し、持続可能な生活を実現する上での課題や対応について考えることができる内容構成としている。高等教育機関の教養・共通科目として「生活」や、生活・家政系学部(学科)で学ぶ人にとっての教科書として最適の一冊であるとともに、社会人、子育て世代の人、高齢者など各ライフステージの人、さらにはそれらの生活者を支える専門家の人たちに、是非手にとっていただきたい。
まず、第1章では、持続可能な社会の構築という地球規模での動きを確認した上で、生活者の立場から持続可能な社会の実現に向けてどのような課題があるかを検討する。第2章では、生涯発達という視点で人生を捉え、各ライフステージの課題を明らかにし、主体的な人生設計の在り方について確認する。第3章では、健康を支える重要な要素の一つとして身体活動を取り上げ、第4章では生活の中に潜むリスクとそのマネジメントについて述べる。第5~10章では、生活する上で不可欠な、生態系サービスや人間関係、時間、情報、金銭(経済)などさまざまな生活資源の視点から生活について考える。第11~13章では、実際の生活場面である衣食住の視点から、望ましい生活のあり方について提示する。

まえがき

は じ め に

 人の暮らしは,産業の発展に伴う大量生産・大量消費などによって,大きく変化し物質的に豊かになった。一方で,環境破壊や資源の枯渇,地球温暖化などの多くの課題を生むとともに,社会の中では貧困や不平等などさまざまな格差が存在しており,地球環境を守りながら人間のニーズを満たしていく持続可能な社会の構築は,国を問わず世界中で取り組む最重要課題の一つと位置付けられている。

 私たち一人一人が当事者として,自分の生活を見つめなおし,持続可能な社会の基盤となる生活のあり方について主体的に考え,行動し続けることができるようにならなければならない。

 本書は,第25期日本学術会議健康・生活科学委員会家政学分科会の全委員で構成する「持続可能な生活研究会」によって刊行するものである。家政学は,総合的な視点で人間の生活の全体を捉え,それらを科学に基づいて探求し,人間がよりよく生きるための実践を行う専門分野であり,家政学分科会ではその専門性に基づいて,個人,家族・家庭生活やコミュニティのウェルビーイングを向上させることが社会の持続可能性を高めるという認識のもとで活動を展開してきた。

 本書は,健康で豊かな生活のために必要な基礎的な知識を再確認し,持続可能な生活を実現する上での課題や対応について考えることができる内容構成としている。高等教育機関の教養・共通科目として「生活」を学ぶ人,社会人,子育て世代の人,高齢者など各ライフステージの人,さらにはそれらの生活者を支える専門家の人たちに,是非手にとっていただきたい。

 まず,第 1 章では,持続可能な社会の構築という地球規模での動きを確認した上で,生活者の立場から持続可能な社会の実現に向けてどのような課題があるかを検討する。第 2 章では,生涯発達という視点で人生をとらえ,各ライフステージの課題を明らかにし,主体的な人生設計の在り方について確認する。第 3 章では,健康を支える重要な要素の一つとして身体活動を取り上げ,第 4章では生活の中に潜むリスクとそのマネジメントについて述べる。第 5 ~10章では,生活する上で不可欠な,生態系サービスや人間関係,時間,情報,金銭(経済)などさまざまな生活資源の視点から生活について考える。第11~13章では,実際の生活場面である衣食住の視点から,望ましい生活のあり方について提示する。

 この書を読んでくださった皆さんが,よりよい生活を創造し,周囲の人やもの,環境と共生・協働しながら持続可能な社会の実現に向かっていく潮流をつくることができれば,執筆者の一人としてこの上ない喜びである。

 最後に,本書をまとめるにあたり,研究会のメンバー以外からご協力いただいた執筆者の方々,刊行にあたりさまざまなご配慮をいただいた建帛社の方々に心からお礼を申し上げる。

2023年12月

 研究会を代表して 杉山久仁子

目 次

第1章 持続可能な社会と人の生活

1.人と環境とのかかわり

2.「持続可能」という考え方

3.人の健康で豊かな生活の実現のために

第2章 「人生100年時代」の生活のマネジメント

1.生涯発達をとげるために

2.各ライフステージにおける課題とニーズ

3.生活のマネジメント

4.「人生100年時代」を生きる

5.持続可能な生活の創造へ

第3章 健康づくりのための身体活動

1.身体活動と生活活動・運動

2.「健康づくりのための身体活動基準2013」と「健康づくりのための身体活動(アクティブガイド)」および2023改定案

3.生きる力と持続可能な社会を維持するための身体活動施策

第4章 生活のリスクとリスクマネジメント

1.リスクの概念

2.リスクのとらえ方

3.日常生活におけるリスクとリスクマネジメント

第5章 生態系サービス

1.生物多様性

2.生態系サービス

3.持続可能性

第6章 生活の中のつながり―人と人,人と社会―

1.社会の変化と人間関係

2.家族・家庭生活における人間関係

3.人間関係の希薄化による孤独・孤立

4.人と人のつながり,人と社会のつながり

第7章 子どもの成長・発達と生活

1.子どもの成長・発達

2.子どもの生活と大人の生活,社会との関連性

3.子育ての現代的課題

第8章 生活時間

1.生活を時間でとらえる

2.社会政策における時間

3.持続可能な生活の視点から生活時間を考える

第9章 生活と情報

1.生活者と情報化の進展

2.情報化社会における生活者のウェルビーイング

3.未来の生活と情報

第10章 生活と経済

1.生活に必要なお金

2.収入と支出

3.生活変化に伴う家計の変化

4.現代の家計の特徴

5.家計管理と生活設計

第11章 住生活

1.住生活の基礎

2.室内環境と健康への影響

3.省エネルギーの推進

4.住まいの歴史と構造

5.住まいの防災と安全

第12章 衣生活

1.衣と生活

2.衣と社会

第13章 食生活

1.食の社会化

2.食のさまざまな機能と役割

3.持続可能なこれからの食生活のために

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書籍情報

シリーズ名・巻数
書籍名 持続可能な社会と人の暮らし
著 者
分 野
シリーズ
ISBN 978-4-7679-6522-2
Cコード C3077
定 価 2,310円 (本体価格:2,100円)
発行年月日 2024年2月1日
版型・装丁 A5 並製
ページ数 192ページ
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