Nブックス

新版 臨床栄養学 第5版

著 者
発行年月日
2023年7月10日
ISBN
978-4-7679-0745-1
Cコード
C3047
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定価 3,190(本体価格:2,900円) 在庫あり

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内容紹介

管理栄養士・栄養士養成課程向け教科書。 管理栄養士・栄養士が知識として知らなければならない疾患にしぼって,管理栄養士国家試験出題問題の難易度および出題傾向を考慮。 栄養療法に関する知識とともに,疾患の病態に関しても十分に学べるように配慮し,その疾患の栄養療法を行う理由を理解する。 また,医療チームの一員として関われるよう,薬物療法など治療法全般についても十分学べるような内容とした。最新の各疾患ガイドラインに沿い改訂した新版第5版。

まえがき

はしがき

 臨床栄養学は,栄養学的なアプローチにより疾患を治療する方法を学ぶ学問です。しかし,その前提として疾患の病態についての知識が不可欠です。すなわち,疾患の病態についての十分な知識を持つことにより,はじめて,「なぜ,このような栄養療法を行わなければならないか」,「なぜ,このような栄養療法が有用なのか」を理解することができるのです。臨床栄養学を学ぶうえで,栄養療法の知識をただ丸暗記するのではなく,「なぜ,このような栄養療法を行わなければならないか」,また,「なぜ,このような栄養療法が有用なのか」を常に考え,理解しようとすることが大事です。また,そうして得た知識はすぐに忘れてしまうことはなく,真に自分のものとなり,実際に役に立つものになると思われます。このような考え方から,本書は栄養療法に関する知識とともに,疾患の病態に関しても十分に学べるように配慮し,その疾患の栄養療法を行う理由を理解してもらえるように努めました。臨床栄養学を学ぶにあたり,「なぜ,このような栄養療法が有用なのか」を考え,理解することを常に心がけてほしいと思います。

 近年,病院においてはチーム医療による治療体制が確立され,管理栄養士は栄養のプロとしての高度な専門的知識が要求されるようになりました。また,医療チームの一員として,医師,看護師,薬剤師など多職種とのコミュニケーションを保ち,傷病者の治療全般にかかわるようになれば,栄養学的知識はもちろん,薬物療法など他の治療法や疾患の病態全般についての広い知識も必要になります。したがって,本書では,栄養療法のみでなく,薬物療法など治療法全般についても十分学べるよう配慮しました。

 本書は,2002(平成 14)年に初版本として『N ブックス 臨床栄養学』が出版されました。その後,6年余りが経過して,2008(平成 20)年には,大幅な改訂を行い『N ブックス 新版臨床栄養学』といたしました。

 6年の間にメタボリックシンドロームや慢性腎臓病(CKD)などの新しい疾患概念が確立し,これらを項目として取り入れる必要が生じました。また,2002年に栄養士法が改正され,新たなカリキュラムによる栄養士・管理栄養士の養成,教育が開始されてから6年を経過しましたが,その間の教育経験を取り入れる必要が生じました。さらに,2005(平成 17)年の管理栄養士国家試験から新しい出題基準による試験問題が出題されました。2008年までに4回の管理栄養士国家試験が実施されましたが,問題の難易度,出題傾向は定まりつつあると思われ,これらに対応した内容を取り入れる必要が生じました。

 2008年の改訂では,栄養士・管理栄養士が知識として知らなければならない疾患にしぼって,できるだけ簡潔に,わかりやすく,平易に解説をしました。その際,栄養士・管理栄養士養成の新カリキュラムによる6年間の教育経験,また,すでに実施された管理栄養士国家試験出題問題の難易度および出題傾向を十分考慮しました。

 具体的には,新しく確立した疾患概念であるメタボリックシンドロームや慢性腎臓病(CKD)の項目を追加しました。また,高脂血症は脂質異常症に変更し,新しく提唱された脂質異常症の治療法を追加しました。その他,各疾患分野においても診断・治療法の発展・進歩は著しく,これらの新しい方法・技術についても追加しました。疾病の発生,栄養摂取の推移,栄養と疾病との関係などの総論的な内容は省略し,ビタミン欠乏症およびミネラル異常症,水・電解質異常,酸-塩基平衡は,それぞれ関連の深い代謝性疾患および腎疾患に含めました。各章(疾患)のはじめには「予備知識」の項目を置き,その疾患を学ぶに当たり,あらかじめ知っておくべき重要な「解剖学,生理学,生化学などの知識」,「用語」,「概念」などを解説し,内容を理解しやすくなるようにしました。

 その後,2010(平成 22)年には糖尿病の新しい診断基準,2011(平成 23)年には肥満症診断基準が示され,2012(平成 24)年には「動脈硬化性疾患予防ガイドライン」「CKD 診療ガイドライン」がそれぞれ改定されたため,関連記述を改訂して「第2版」が出版されました。その後,2014年度以降,おおよそ 4年に一度管理栄養士国家試験出題基準の改定が行われ,また,毎年のように各疾病ガイドラインが公表されています。今般,2022年度の管理栄養士国家試験出題基準改定を鑑み,さらに「動脈硬化性疾患ガイドライン 2022年版」「肥満症診療ガイドライン 2022」「糖尿病治療ガイド 2022-2023」など,最新の疾病ガイドラインを反映して「第5版」を上梓します。

 本書を学んだ読者諸氏が,栄養のプロとしての高度な専門的知識とともに,疾患病態に関する広い知識を兼ね備えた栄養士,管理栄養士になられることを期待しています。

 最後に,本書の編集にあたり,各執筆者には編者のさまざまな要求を快く受け入れていただきましたことを心から感謝致します。また,本書の出版にあたり,建帛社編集部の皆様には多大なご助力をいただきましたことを深謝致します。さらに,今後,教科書としてご採用いただく先生方,読者諸氏の忌憚ないご意見をいただければ幸いです。

2023年 6月

田中  明

加藤 昌彦

目 次

第1章 代謝性疾患 

1.肥 満

2.糖尿病

3.脂質異常症

4.高尿酸血症

5.ビタミン異常症

6.先天性代謝異常

 第2章 循環器疾患 

1.予備知識

2.心不全

3.高血圧

4.動脈硬化

5.狭心症,心筋梗塞

6.脳卒中 

第3章 消化管疾患 

1.予備知識

2.口腔疾患

3.食道疾患

4.胃疾患

5.腸疾患 

第3章 肝胆膵疾患 

1.予備知識

2.肝疾患

3.胆道疾患

4.膵疾患 

第5章 腎臓疾患 

1.予備知識

2.主な腎臓疾患

3.水・電解質異常と酸-塩基平衡 

第6章 呼吸器疾患 

1.予備知識

2.慢性閉塞性肺疾患

3.その他の呼吸器疾患 

第7章 血液疾患 

1.予備知識

2.鉄欠乏性貧血

3.巨赤芽球性貧血

4.その他の貧血

5.血液の凝固異常 6.血液の腫瘍性疾患 

第8章 免疫とアレルギー疾患 

1.予備知識

2.食事性アレルギー

3.自己免疫疾患

4.免疫不全 

第9章 内分泌疾患 

1.予備知識

2.視床下部疾患

3.脳下垂体疾患

4.甲状腺疾患

5.副甲状腺疾患

6.副腎皮質疾患

7.副腎髄質疾患(褐色細胞腫) 

第10章 骨・歯科疾患 

1.予備知識

2.骨疾患

3.歯科疾患 

第11章 精神・神経疾患 

1.予備知識

2.パーキンソン病

3.認知症

4.神経性食欲不振症

5.アルコール依存症 

第12章 小児および婦人科疾患 

1.小児疾患

2.婦人科疾患

 第13章 高齢期の疾患 

1.フレイルティ

2.サルコペニア

3.ロコモティブシンドローム 

第14章 外科と栄養 

1.予備知識

2.栄養ケア・マネジメント

3.栄養アセスメント

4.栄養補給法

5.手術前後の栄養管理

6.在宅で行う栄養管理(在宅栄養療法) 

第15章 悪性腫瘍と栄養 

1.予備知識

2.肺 癌

3.食道癌

4.胃 癌

5.大腸癌

6.膵 癌

7.前立腺癌

8.乳 癌 

第16章 臨床検査 

1.予備知識

2.末梢血液検査

3.血液生化学検査

4.生理機能検査

5.画像検査

6.尿検査

7.便検査

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書籍情報

シリーズ名・巻数 Nブックス
書籍名 新版 臨床栄養学 第5版
著 者
分 野
シリーズ Nブックス
ISBN 978-4-7679-0745-1
Cコード C3047
定 価 3,190円 (本体価格:2,900円)
発行年月日 2023年7月10日
版型・装丁 B5 並製 2色
ページ数 240ページ
関連タグ