建帛社だより「土筆」

令和6年1月1日

オンデマンド印刷の進化(コラム)

 ンデマンド印刷という書籍の製作方法がある。オンデマンドは,直訳すれば「求めに応じて」となろうか。すなわち,少部数であってもその書籍の「注文に対応した」印刷・製本の様式のことをいう。「印刷」と称されるが,その工程で製本までを含んでいる。

 常の書籍は,印刷所が出版社の指定にしたがって紙面のレイアウトをし(組版),校正等を経てページとして完成させ,指定の部数を印刷,それを製本所で書籍として完成させる。組版は,かなり以前からすべてデジタル処理となっている。

 の通常の印刷・製本の工程では,1冊も1,000冊も製作コストはあまり変わらない。したがって,数100部程度では,1冊単価がものすごい高価になってしまう。これに対してオンデマンド印刷では,1冊から単価が設定されており,少部数でもコストを安く抑えられる。

 ンデマンド印刷では,組版のデジタルデータがすでにあることが前提となる。つまり,すでに発行されている書籍(絶版も含め)を少部数作成したいときにその力が発揮される。

 れまでは200部程でも通常の印刷・製本の方が安くできた。しかし近年の技術革新により500部でもオンデマンドで採算可能となっている。出版社ではオンデマンド対応が進んでおり,当社も取組をはじめている。

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第119号令和6年1月1日

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