新たな職域である在宅栄養ケアについて,対象者別の留意点・事例を示すと共に,多職種連携のほか実践にかかわるノウハウを丁寧に解説。
データを更新し,巻末資料を充実させた第2版。
新たな職域である在宅栄養ケアについて,対象者別の留意点・事例を示すと共に,多職種連携のほか実践にかかわるノウハウを丁寧に解説。
データを更新し,巻末資料を充実させた第2版。
わが国の高齢化率は28.4%(2019 年,総務省)となり,2040 年には35.3%になると見込まれています。高齢者に対する社会保障給付費 (年金・医療・福祉その他を合わせた額)は過去最高水準(約115 兆円)で,今後も増加すると推定されています。
高齢者が住み慣れた地域に住み続け,医療・介護サービスを受けて介護予防,生活支援が提供される地域包括ケアシステムでは,自助・互助・共助・公助の視点と多職種協働を基に地域共生社会を作り出します。
療養者や要介護者の大半は在宅で生活しています。療養者や要介護者のQOL の向上には,最期まで口から食べることの支援が不可欠で,在宅での栄養ケアサービスの需要が増すことが予測されます。
近年,管理栄養士養成において在宅栄養支援に関する知識とスキルを養うことが重要視されてきています。傷病者・障害者に対する管理栄養士の役割として,栄養管理プロセス(NCP:nutrition care process)を理解し,実際に栄養状態の評価・判定(栄養診断)や栄養介入ができるスキルを身に付ける教育は早急に行わなければなりません。
本書は,序章で福祉・介護における管理栄養士の役割りを理解し,第1 章と第2 章では福祉・介護領域で管理栄養士に必要な知識を系統的に学べるように,制度や基本的な事柄を記述しました。第3 章では在宅訪問にかかわって特に留意すべき事柄に重点を置いた栄養アセスメントについて記すとともに在宅栄養ケアプロセスの理論を記述し,特にこれに関する言語の国際標準化で提案されている栄養診断を理解します。第4 章では在宅におけるさまざまな障害者や要支援・介護者を理解し,栄養支援ができるよう解説し,併せて演習事例を提示し,在宅訪問栄養食事指導の実践へ向けた教育効果が高まるよう意図しました。第5 章では管理栄養士の在宅訪問栄養食事指導のスキルを身に付けることができるよう,各種書類の様式例等も含めた実践的知識を詳細に記しています。なお,管理栄養士が行う訪問栄養食事指導は,介護保険制度における「居宅療養管理指導」と医療保険制度における「在宅患者訪問栄養食事指導」の2 つの枠組みで行われますが,本書では,この2 つを合わせて「在宅訪問栄養食事指導」としています。
管理栄養士養成教育の場だけでなく,在宅栄養ケアを実践している方々にも活用していただければ幸いです。読者からのご批判,ご教示を頂きながら,さらにより良いものにできればと願っています。
2020(令和2)年4 月
編者一同
65歳以上の人口が全人口の35%となる2040年に向けて,地域包括ケアシステムの構築・推進が図られています。個々人の生活の視点を踏まえたきめ細やかな対応が,今後より一層重要になると考えられています。
個人および地域における栄養課題は,多様化・複雑化し,多職種連携による対応が一層重要になる中,多職種連携に必要な知識および技能の習得が急務になっています。
本書はその一翼を担うべく,2020年に初版本を刊行いたしましたが,初版刊行から3年が経過し,このたび第2版とする運びとなりました。
今回は,新旧データを入れ替え,末尾の資料を充実させるとともに,第4章 対象者別在宅栄養支援演習の構成を見直すことで,より活用しやすいように整理いたしました。
多くの方々に手に取っていただき,ブラッシュアップを重ねて,さらによりよい書籍にできればと願っております。
2023(令和5)年3月
編者一同
序章 福祉と管理栄養士
1.社会福祉の理念
2.現代日本の福祉と医療
3.福祉における管理栄養士の役割
第1章 地域共生社会と在宅栄養支援
1.地域共生社会と社会資源
2.地域診断と食生活支援
3.地域包括ケアシステムにおける多職種連携
第2章 介護・医療保険制度と在宅栄養支援
1.介護保険制度と在宅栄養支援
2.要介護認定と介護保険サービス
3.医療保健制度と在宅栄養支援
第3章 在宅栄養ケアプロセス
1.栄養ケアプロセス
2.栄養スクリーニングとアセスメント
3.栄養診断(栄養状態の判定)とPES報告
4.栄養介入;計画と実施
5.栄養モニタリングと評価
6.栄養アセスメントから栄養介入までの7つのStep
第4章 対象者別在宅栄養支援
1.摂食機能障碍者への栄養支援
2.新心機能障害者への栄養支援
3.精神機能の障害と栄養支援
4.高齢者にみられる障害への栄養支援
5.慢性疾患への栄養支援
6.人生の最終段階への栄養支援
第5章 在宅栄養支援の実際
1.在宅訪問栄養食事指導の心構え
2.在宅訪問栄養食事指導のプロセス
3.医療機関・福祉施設との連携
4.ケアプラン(居宅サービス計画)と在宅栄養支援の実際
5.依頼から契約まで
6.リスクマネジメント
7.終結と報告
8.報酬請求
9.事業所の運営と管理
臨床栄養領域の必要知識を疾患別に表形式で簡潔明瞭に解説。日本人の食事摂取基準(2020年版),日本食品標準成分表2020年版(八訂),管理栄養士コアカリ・国試ガイドラインを踏まえて更新。
管理栄養士養成課程の教科書。多様な症例に対し,栄養診断を行い,栄養・食事計画(献立作成)の立案から実践までの一連の過程を学ぶ。
栄養管理の一連の流れを理解できるよう,フローチャート形式で順序立てて学習する。喫食率の把握など実際に即した実習課題を盛り込むなど大幅に見直した三訂版。
2023年2月改定の管理栄養士国家試験出題基準に合わせて改訂した第4版。脂質異常症,肥満症ほか,各疾患ガイドラインは最新動向に沿う。診療報酬・介護報酬も最新の内容で網羅。用語解説も充実。
管理栄養士・栄養士養成課程の教科書。最新の各疾患ガイドラインに沿い改訂した新版第5版。できるかぎり簡潔に疾病の病態ほかをまとめる。
下記フォームに必要事項をご入力いただき、一旦ご確認された上で送信ボタンをクリックしてください。
なお、ご返信さしあげるまでに数日を要する場合がございます。