実践力を高める 成人言語聴覚療法ハンドブック

著 者
発行年月日
2021年6月15日
ISBN
978-4-7679-7101-8
Cコード
C3047
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定価 3,080(本体価格:2,800円) 在庫あり

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内容紹介

臨床現場で勤務する言語聴覚士に向けた一冊。

患者の全体像を包括的に捉える視点を通じ,多様化するリハビリ現場のニーズに応える実践力へとつなげる。

若手言語聴覚士の人材育成にも最適。

まえがき

 序 文

 一般社団法人日本 言語聴覚士協会では,回復期リハビリテーション病棟で働く言語聴覚士が増加したことで質の担保が重要な課題となり,2011 年(平成 23 年)より実務者講習会「回復期リハビリテーションにおける言語聴覚療法講習会」を定期的に開催してきた。その後,一般社団法人回復期リハビリテーション病棟協会の協力も得られ,制度の変化や受講者の意見を参考に講習内容の見直しを行ってきた。これまでの実務者講習会は「基礎編」をベースに,チームマネジメントの視点を取り入れた「実践編」,専門性に重点を置いた「各論編」などを実施してきた。

 講習会の中では,心身機能・能力を詳細に評価すること,評価にもとづく訓練・指導,その他の援助を生活の中で実践するという視点を伝えてきた。さらに近年では ICF(国際生活機能分類)における「参加」が重要視されるようになり,対象者の全体像を包括的にとらえるという視点も伝えてきた。これら,講習会のなかで参加者に伝えてきたことをまとめ,今回書籍として発行する運びとなった。

本書は日本言語聴覚士協会にとって初の監修書籍となる。コミュニケーションと食事を核に置き,疾病の理解,認知機能や運動機能の理解,ADL や参加の理解,事例などから構成されている。言語聴覚士養成教育では学習することが難しい,臨床現場で必要な視点や知識が身につけられるような内容になっている。

 また,本書は『実践力を高める 成人言語聴覚療法ハンドブック』の名の通り,臨床経験が 1〜5 年の若手言語聴覚士が現場で手軽に活用でき,実践力を養えるように工夫されている。執筆者は臨床現場や介護保険領域で実際に業務にあたっている言語聴覚士であり,自身もリハビリテーションの現場で人材育成に汗を流している言語聴覚士たちである。そのため若手を指導する立場にある方々が人材育成の参考図書としても活用できる内容となっている。日本言語聴覚士協会では今後も実務者講習会を継続的に実施していくが,そのサブテキストとしても活用できるものである。

 基礎的な知識から,実践例を通して対象者の全体像を包括的にとらえ,「参加」につなげていく視点を学ぶことができる書籍として,臨床現場で勤務する多くの若き言語聴覚士の参考となることを願っている。

2021 年 6 月

一般社団法人日本言語聴覚士協会会長

深浦 順一

目 次

第1章 言語聴覚士をめぐる状況とこれから

1.言語聴覚士の役割とリハビリテーション

2.言語聴覚士を取り巻く社会状況

3.セラピストのなかの言語聴覚士

4.言語聴覚士の課題と可能性

                                                                                       第2章 全体像の理解

1.ICFの理解

2.参加を考えるための環境因子

3.参加を考えるための個人因子

4.ICFを活用した言語聴覚士のアプローチの考え方

第3章 疾患と経過の理解

Ⅰ 疾患を理解する必要性

Ⅱ 言語聴覚士の対象となる疾患の生理

 1.脳損傷

 2.進行性疾患

 3.認知症

 4.廃用症候群

 5.慢性閉塞性肺疾患

 6.悪性腫瘍(がん)

Ⅲ 病期による言語聴覚士の役割

第4章 認知機能の理解

1.言語聴覚士は認知機能をどう評価するか

2.行動観察から認知機能をどうとらえるか

3.認知機能の重症度をとらえる

4.神経心理学的検査を行う際の注意点

5.個別症状の理解

6.その他

7.まとめ

第5章 コミュニケーションの理解

1.コミュニケーションとは何か

2.コミュニケーションをとらえる視点

3.コミュニケーションの実用度と認知機能

4.コミュニケーションの実用度と失語症

5.コミュニケーションの実用度と構音障害

6.コミュニケーションの実用度と聴覚障害

7.まとめ

第6章 食事の理解

1.疾患事の自然経過

2.直接訓練開始基準について

3.在宅での食事の問題

4.在宅生活での機能の低下に対して

第7章 運動機能の理解

1.言語聴覚士と運動

2.運動の基本

3.言語聴覚士がかかわる運動に関連する問題

4.評価

5.基本動作

6.歩行補助具

7.装具

8.麻痺の回復と活動イメージ

9.転倒―認知機能と運動機能との関連

10.まとめ

第8章 ADLの理解

1.ADL(日常生活動作)とは何か

2.ADLのレベル

3.ADLの評価

4.IADL(手段的ADL)

5.ADLに言語聴覚士がかかわれること

6.まとめ

第9章 参加の理解

1.参加とは

2.リハビリテーション目標としての参加

3.意思疎通支援,意思決定支援と参加

4.ケースにみる言語聴覚士が行う参加の支援

5.まとめ

第10章 事例を通した理解

1.はじめに

2.事例紹介

3.急性期での経過

4.回復期での経過

5.生活期での経過(1~3年目)

6.生活期での経過(4~7年目)

7.事例のまとめ

8.まとめ

付章 訪問ではじめる小児の臨床

1.訪問言語聴覚士の増加

2.未経験の小児の臨床を訪問でスタートする

3.発達障害の臨床をはじめるにあたって

4.発達の里程を知る

5.遊びはそれ自体が目的となる

6.養育者との対話を通して

7.学び直しは言語聴覚士人生の大きな転機

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書籍情報

シリーズ名・巻数
書籍名 成人言語聴覚療法ハンドブック
著 者
分 野
シリーズ
ISBN 978-4-7679-7101-8
Cコード C3047
定 価 3,080円 (本体価格:2,800円)
発行年月日 2021年6月15日
版型・装丁 B5 並製 2色
ページ数 144ページ
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