「詳細なフィードバックシートを提供できるのは,地域に出て調査を行う上で大きな強みになっています」

新潟医療福祉大学健康科学部健康栄養学科では,新潟県村上市の市民向け健康講座「むらかみ長寿大学」において,地域高齢者の食習慣に関する横断調査に,簡易食習慣評価ツール「MDHQ」を活用されました。

外部業者への解析委託を介さず手元で素早く処理できるソフトウェアの点や,食事区分別の評価,フィードバックシートの価値について,ご担当の塩沢浩太先生にお話を伺いました。

塩沢 浩太 先生

新潟医療福祉大学 健康科学部 健康栄養学科 助教

塩沢 浩太 先生

博士(農学)

Q1. 今回の調査の背景とMDHQを採用された経緯を教えてください。

新潟県村上市で地域高齢者を対象に実施している「むらかみ長寿大学」という取り組みの中で,参加者の食事摂取状況や食習慣の把握を目的としてMDHQを使用しました。

BDHQの採用も検討しましたが,外部の解析会社にマークシートを郵送して解析結果を待つ必要があり,結果が手元に戻るまでに一定の期間がかかります。その点,MDHQは自分たちのPC環境で即座に解析できる点が非常に魅力的でした。

また,これまでの調査票では把握が難しかった「朝食・昼食・夕食・間食」という食事区分ごとの摂取状況がわかる点も,採用を決めた大きなポイントです。

Q2. 運用面での所感や,今後期待する点があれば教えてください。

今回は40名の高齢者について,午前と午後の部に分かれて20名ずつにMDHQを実施しました。私と一緒に行った教員1名と,あと学生3名の合計5名で巡回しながら,困っていることがあったらフォローするような形で,紙の調査票に記入してもらいました。その後,Web回答の画面を使って学生にも手伝ってもらいながら,入力・確認して進めるという形にしました。

分かりづらそうだった所やよく質問された箇所は,最初の質問項目にある「水や飲み物だけの朝食」のところですね。ここだけ他の項目と質問の仕方が少し違うため,最初につまずくポイントかなと思います。下に続く食べ物の項目と視覚的に切り替わっていたら,分かりやすかったのかなとは思います。ただ,朝食のパートを終えると,その後はスムーズに回答できる方が多かったです。また,紙で印刷するPDFのデータを用意していただいていますが,住所を聞かなくていい時に,紙に住所などを書かれても個人情報管理上ちょっと困るので,そういう欄がないものがあったら良かったかなというのは感じました。

Q3. フィードバックシートの活用や,参加者の方々の反応はいかがでしたか?

高齢者の方には,回答した結果が手元に返ってくることを非常に喜んでいただけます。

研究としてただ「データをください」とお願いするだけでなく,「このような詳細なフィードバックシートもお返しします」と提示できることは,地域に出て調査を行う上で大きな強みになっています。

また,研究者側の視点としても,MDHQのように多角的なデータを確認できることは,食事状況や健康課題を検討する上で非常に役立っています。

Q4. 今後の展望や,他の研究者への推奨について教えてください。

現時点では,先行研究との比較のしやすさやエビデンスの蓄積を重視して,BDHQを使われている先生が多い印象です。一方で,MDHQには手元で解析できる利便性や,食事区分別の詳細なデータが得られる強みがありますので,今後MDHQの実績が増えていけば,さらに活用が広がっていくのではないかと思います。

私自身も,今後大学が地域と連携して活動を行うような機会があれば,ぜひMDHQを活用していきたいと考えています。