管理栄養士・栄養士養成課程向け教科書。
「社会・環境と健康」領域を十分にかつ簡潔に網羅した内容の書籍。公衆衛生上の新たな動向に即応し,食事摂取基準2025年版に対応した六訂第2版。
管理栄養士・栄養士養成課程向け教科書。
「社会・環境と健康」領域を十分にかつ簡潔に網羅した内容の書籍。公衆衛生上の新たな動向に即応し,食事摂取基準2025年版に対応した六訂第2版。
平成14年4月から,従来「複雑又は困難な業務」としか記されていなかった管理栄養士の業務が,「傷病者に対する療養のため必要な栄養の指導,個人の身体の状況,栄養状態等に応じた高度の専門知識及び技術を要する健康の保持増進のための栄養の指導,並びに特定多数人に対して継続的に食事を供給する施設における利用者の身体の状況,栄養状態,利用の状況等に応じた特別な配慮を必要とする給食管理及びこれらの施設に対する栄養改善上必要な指導等を行うことを業とする者」にあらためられた。そしてこれをもとに管理栄養士,栄養士養成施設のカリキュラムの改正及び管理栄養士国家試験出題基準が定められた。新カリキュラムによると従来,公衆衛生学として授業されていた項目がなくなり,管理栄養士養成施設では,『社会・環境(人間や生活)と健康』,栄養士養成施設では『社会生活と健康』となった。
すなわち『社会・環境と健康』では教育目標が「人間や生活についての理解を深めるとともに,社会や環境が人間の健康をどう規定し左右するか,あるいは,人間の健康を保持増進するための社会や環境はどうあるべきか等社会や環境と健康の関わりについて理解する。」とあり,①人間や生活を生態系に位置付けて理解する。②人間の行動特性とその基本的メカニズムを理解する。③社会や環境と健康との関係を理解するとともに,社会や環境の変化が健康に与える影響を理解する。④健康の概念,健康増進や疾病予防の考え方やその取り組みについて理解する。⑤健康情報の利用方法,情報管理や情報処理について理解する。⑥保健・医療・福祉・介護システムの概要を理解する。となっている。
また『社会生活と健康』では「社会や環境と健康との関係を理解するとともに,保健・医療・福祉・介護システムの概要について修得する。公衆衛生学,社会福祉概論を含むものとする。」となっている。
しかし管理栄養士国家試験出題基準をみると,健康の定義から始まって,その内容は従来の公衆衛生学とあまり変わっていない。ただ順番が違っていたり,内容に若干のズレがあったりしている。
従って本書は従来の体系は維持しながらも,できるだけ忠実に管理栄養士国家試験出題基準に沿うように心がけた。
新しい管理栄養士養成施設のカリキュラムが始まって平成18年第1回目の卒業生を迎え,国家試験も従来とは異なったものが出題された。その合格者は同年5月に発表されたが,合格した者,不合格だった者,それぞれ悲喜こもごもである。また昨年から養成校別に合格者数,合格率が発表されたので,学校にとっても同じである。こうした状況が来年以降も続くであろう。我々は希望者が全員,試験に合格できることを祈るとともに本書が少しでも試験に役立てば幸いである。
平成19年3月
苫米地孝之助
本書は,2002(平成14)年に初版を発行し,管理栄養士国家試験出題基準(ガイドライン)の改定や,公衆衛生に関わる指針や法令などの改正に対応すべく版を重ね,2024(令和6)年には六訂版を発行した。出題基準の「社会・環境と健康」領域を十分にかつ簡潔に網羅した内容の書籍であり,おかげさまで,多くの管理栄養士・栄養士養成校にて採用いただいている。編者を代表し,心より感謝を申し上げたい。
この度の六訂第2版の発行に際しては,2024(令和6)年10月に公表された「日本人の食事摂取基準(2025年版)」や,同年11月に公表された「令和5年国民健康・栄養調査結果の概要」への対応等,最新の情報に基づき内容を改めた。また一部著者が交代し,新たな執筆者の専門性と知見を反映させることで内容の更なる充実に努めた。
本書をより良い書籍とするため,今後とも建設的なご意見,ご要望を賜りたく,お願いする次第である。
令和7年3月
編者を代表して 後 藤 政 幸
第1章 公衆衛生の意義
1.健康の概念
2.公衆衛生の概念
3.社会的公正と健康格差の是正
第2章 環境と健康
1.生態系と人々の生活
2.環境汚染と健康影響
3.環境衛生
第3章 保健統計
1.保健統計の概要
2.保健統計調査
3.人口静態統計
4.人口動態統計
5.生命表と平均余命
6.傷病統計
7.その他の保健統計
第4章 健康状態・疾病の測定と評価
1.疫学の概念
2.疫学の指標
3.疫学の方法
4.バイアス,交絡の制御と因果関係の判定
5.スクリーニング
6.根拠(エビデンス)に基づいた医療(EBM)および保健対策(EBPH)
7.疫学研究と倫理
第5章 生活習慣の現状と対策
1.生活習慣病
2.身体活動・運動
3.喫 煙
4.飲 酒
5.睡眠・休養とストレス
6.歯科保健行動
第6章 主要疾患の疫学と予防対策
1.主要部位のがん(悪性新生物)
2.循環器疾患
3.代謝疾患
4.骨・関節疾患
5.感 染 症
6.精神疾患
7.その他の疾患
8.高齢期の疾患・機能障害(低栄養,フレイル)
9.自殺,不慮の事故,虐待・暴力
第7章 保健・医療・福祉・介護の制度
1.社会保障
2.保健・医療・福祉における行政の仕組み
3.医療制度
4.福祉制度
5.地域保健
6.母子保健
7.成人保健
8.高齢者保健・介護
9.産業保健
10.学校保健
11.国際保健
各疾患の病態生理/栄養アセスメント・モニタリング/栄養基準/栄養食事指導等,栄養状態を評価し栄養ケア・マネジメントを実践するための知識を詳述。最新の診療・介護報酬や学びを支える巻末資料も充実。
栄養士・管理栄養士養成課程教科書。日本人の食事摂取基準(2025年版)に対応した六訂版。ライフステージごとの特性を踏まえた実践への展開を詳述する。令和5年国民健康・栄養調査ほか最新のデータを示す。
管理栄養士養成課程教科書。実践の場で役立つ学びを重視し、管理栄養士が実際の現場で直面する「マネジメントの手法」をわかりやすく説く。大きく変化する給食を取り巻く環境について、最新の情報を提供。
疾患の概要は表形式,専門用語は側注を活用して簡潔に解説するなど,初学者にも理解できるよう配慮した。令和6年の診療報酬改定,日本人の食事摂取基準(2025年版)に対応した第3版。
2024年公表の栄養士実力認定試験出題基準(ガイドライン),および日本人の食事摂取基準2025年版に準拠した給食管理の教科書。食物アレルギーについても記載する。
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