クリア言語聴覚療法3

高次脳機能障害

著 者
発行年月日
2025年3月15日
ISBN
978-4-7679-4553-8
Cコード
C3047
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定価 4,290(本体価格:3,900円) 在庫あり

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内容紹介

高次脳機能障害とは何か,障害における様々な症状の特徴,原因となり得る病変,評価法等に加え,リハビリテーションについても言及。言語聴覚士を目指す学生に最適な高次脳機能障害の入門書。

 脳損傷に起因する言語,思考,行為,記憶,注意,認知などの障害である「高次脳機能障害」については,近年,社会の感心が高まっており,高次脳機能障害のリハビリテーションの発展,それに携わる言語聴覚士の臨床の質の向上についてもその必要性が増している。

 本書『クリア言語聴覚療法3 高次脳機能障害』は,言語聴覚士を目指す学生に向けて構成・編集した入門書であるが,臨床経験の浅い言語聴覚士にとっても有用となる最新の知見,研究成果や症例を豊富な図表ととも提示している。

 第1章「高次脳機能障害」では,障害の定義,障害の主要症状と背景症状,障害の診断基準,障害に対する行政的支援対策について解説している。

 第2章「脳の構造と機能,疾患」では,神経系を中心に脳の基本構造やその機能について述べたうえで,高次脳機能障害の画像診断,高次脳機能障害の原因疾患,高次脳機能(種々の認知機能等)と脳の構造との関係を研究する神経心理学について概説した。

 第3章は「高次脳機能障害の症状とリハビリテーション」と題し,注意と注意障害,記憶障害,失認,視空間障害,動作・行為の障害,前頭葉機能障害,脳梁離断症候群,認知症,および脳外傷による高次脳機能障害の概念,症状,評価と,対象者のQOL向上のためのリハビリテーションについて示した。また,近年特に注目されている,注意・記憶・組織化・情報処理・問題解決・遂行機能などの認知機能障害によって生じるコミュニケーション障害についても概説した。

 本書の執筆者らはいずれも豊富な臨床経験をもつ言語聴覚士,医師であり,本書『高次脳機能障害』は,先述した初学者のみならず,現役の臨床家にとっても日々の臨床に役立つ1冊となると考える。

まえがき

まえがき

 高次脳機能障害とは,脳損傷により生じる言語,思考,行為,記憶,注意,認知などの障害を指す。厚生労働省の「令和4年生活のしづらさなどに関する調査」(全国在宅障害児・者等実態調査)によれば,医師から高次脳機能障害と診断された者の数は227,000人と推計されている。実際の臨床場面でも,重症度こそ様々であれ,ひとつないしはそれ以上の高次脳機能障害を有している対象者がたくさんいることは,多くの臨床家が痛感するところである。「対象者の症状を何とか軽減し,生活の質(Quality of Life:QOL)を高めたい」「何とかして対象者のお役に立ちたい」と思わない臨床家はおそらく1人もいない。しかしながら,臨床以前に養成校の講義や演習の時点で症状の難解さと複雑さに打ちひしがれ,アレルギー反応を起こす学生が残念ながら少なくない。この現状を何とかしたいという思いは,どの言語聴覚士養成校の教員でも抱いていることであろう。

 本書は,言語聴覚士養成校に通う学生や,免許取得後数年以内の初学者にもわかりやすい言葉や図表で解説し,そして養成校で学修する関連科目との対応や整理がつきやすくなるよう心掛けた。第2章Ⅱ節では神経系の基本構造や機能,画像診断に関する概説,Ⅲ節では高次脳機能障害の原因疾患に関しても詳しく示し,神経学や神経内科学に関する知識を整理した。また,第3章Ⅰ節~Ⅹ節では様々な高次脳機能障害の概念,症状,評価に加え,リハビリテーションについても言及した。さらに,第3章Ⅹ節では「右半球損傷と認知コミュニケーション障害」とし,近年特に注目されている,注意・記憶・組織化・情報処理・問題解決・遂行機能などの認知機能障害によって生じるコミュニケーション障害について概説した。

 執筆者らはいずれも豊富な臨床経験をもつ言語聴覚士,医師である。本書には基本的な知識はもとより,最新の知見や研究成果,そして症例提示も豊富に含まれているので,経験年数のある臨床家にとっても,日々の臨床に役立つ1冊になることと思われる。

 本書が高次脳機能障害の入門書として,そして臨床の友として活用されることにより,高次脳機能障害のリハビリテーションの発展,そして言語聴覚士の臨床の質の向上に貢献することができるなら,これに勝る幸いはない。

 最後に,執筆者の先生方に心より御礼申し上げる。また,多大なるご支援をいただいた建帛社編集部の方々に深謝申し上げる。

 2025年2月

浦野雅世・外山 稔

目 次

第1章 高次脳機能障害

Ⅰ 高次脳機能障害とは

Ⅱ 高次脳機能障害の主要症状と背景症状

Ⅲ 行政的高次脳機能障害 

第2章 脳の構造と機能,疾患

Ⅰ 脳の構造と機能

Ⅱ 高次脳機能障害と画像診断

Ⅲ 高次脳機能障害の原因疾患

Ⅳ 神経心理学の基本概念

第3章 高次脳機能障害の症状とリハビリテーション

Ⅰ 注意と注意障害

Ⅱ 記憶障害

Ⅲ 失 認

Ⅳ 視空間障害

Ⅴ 動作・行為の障害

Ⅵ 前頭葉機能障害

Ⅶ 脳梁離断症候群(半球離断症候群)

Ⅷ 認知症

Ⅸ 脳損傷による高次脳機能障害

Ⅹ 右半球損傷と認知コミュニケーション障害


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書籍情報

シリーズ名・巻数 クリア言語聴覚療法3
書籍名 高次脳機能障害
著 者
分 野
シリーズ クリア言語聴覚療法
ISBN 978-4-7679-4553-8
Cコード C3047
定 価 4,290円 (本体価格:3,900円)
発行年月日 2025年3月15日
版型・装丁 B5 並製 2色
ページ数 272ページ
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