子どもの食にかかわる基本的な文書を記載。最新の動向に沿い,統計と資料を刷新。日本食品標準成分表2020年版に対応した第5版。
内容紹介
まえがき
はじめに
子ども時代の食と栄養は,豊かな人間性を育て,生きる力を育み,発育を支え,健康な体と習慣をつくる。保育者をはじめ,子どもに関わる者にとって,子どもの食と栄養についての正しい知識とスキルは不可欠であるといえよう。
このため,保育士養成課程においては,「小児栄養」が長らく必修科目とされていた。2011年からの保育士養成課程においては,「子どもの食と栄養(演習)」という科目に変更になって,教授内容が刷新され,栄養のみならず,幅広く食育についての知識が盛り込まれることになった。
そこで,1999年の初版以来,10年以上にわたって,保育士養成課程における小児栄養の教科書として多くの保育士養成校で利用していただいた『小児栄養学─授乳期から学童・思春期まで─』を,時代の要請にあわせて改訂することにした。
これを機に,新たな筆者を加えて,新しい時代の保育に求められる「食育」実践力を高める内容を盛り込んで,書名も変更して刊行することになった。変更の必要のない解説・図表等については旧来の『小児栄養学』の記述を活かしたが,近年の動向・知見を踏まえ,多くの項目について新たに解説を書き下ろした。また,『保育所における食育に関する指針』(2005年),『授乳・離乳の支援ガイド』(2007年),『保育所保育指針』(2009年),『児童福祉施設における食事の提供ガイド』(2010年)など,子どもの食に関わる基本的な文書をはじめ,最新の資料に基づく内容を収載した。さらに,保育者には,子どもの食事と栄養に関する理解に基づく保護者支援も求められることから,この点にも配慮した内容となっている。
本書が,保育者をめざす多くの方々の学習に利用されるとともに,実際に保育者になられてからもおおいに活用されることを願っている。
末筆ながら,本書の出版にあたり快く資料を提供して下さった関係機関の方々,多大なご協力をいただいた建帛社の方々に心よりお礼申し上げる。
2011年2月 編者:小川雄二
第5版によせて
子ども時代の食と栄養は,発育を支え,健康な体と生涯の食習慣の基礎をつくるとともに,豊かな人間性を育て,生きる力を育むことにつながる。こうしたことから,保育者をはじめ,子どもに関わる者にとって,子どもの食と栄養についての正しい知識とスキルは不可欠であるといえよう。
本書は2003年の初版以来,保育士養成課程における必修科目「小児栄養」の教科書としてご利用いただいてきたが,2011年より科目名が「子どもの食と栄養(演習)」に変更になった際に,幅広く食育についての知識も盛り込んで,書名を変更するとともに,大幅な改訂を行った。さらに,保育者には,子どもの食と栄養に関する理解にもとづく保護者支援も求められることから,この点にも配慮した内容となっている。
2019年度からの新しい保育士養成課程においては,本科目の教授内容の変更は僅かであったが,『保育所保育指針』(2018年),『授乳・離乳の支援ガイド』(2019年改定版),『保育所におけるアレルギー対応ガイドライン』(2019年改訂版),『日本人の即時摂取基準(2020年版)』など,子どもの食に関わる基本的なガイドライン等の内容を盛り込むとともに,諸研究で明らかになった最新データを加えて改訂を重ねてきた。さらに,エネルギー値が約9%低い値になっている『日本食品標準成分表2020年版(八訂)』が公表されたことから,第5版を出版することとした。
本書が,保育者をめざす多くの方々の学習に利用されるととも,実際に保育者になられてからもおおいに活用されることを願っている。
末筆ながら,本書の出版にあたり快く資料を提出して下さった関係機関の方々,多大なご協力をいただいた建帛社の方々に心よりお礼申し上げる。
2022年12月
編者:小川雄二
目 次
第1章 子どもの健康と食生活の意義
1.子どもの心身の健康と食生活
2.子どもの食生活の現状と課題
3.保育所等における「食」に関する指針など
第2章 栄養と食品に関する基礎的知識
1.栄養の基本的概念と栄養素の働き
2.日本人の食事摂取基準
3.食品の基礎知識
4.献立作成と調理の基本
5.健全な食生活のための指標
第3章 子どもの発育・発達と栄養生理
1.子どもの発育と発達
2.子どもの栄養と生理
第4章 子どもの発育・発達と食生活Ⅰ―授乳期・離乳期・幼児期―
1.授乳期の意義と食生活
2.離乳期の意義と食生活
3.幼児期の心身の発達と食生活
第5章 子どもの発育・発達と食生活Ⅱ―学童期・思春期・妊娠期―
1.学童期・思春期の心身の発達と食生活
2.妊娠期の心身の発達と食生活
第6章 食育の基本と内容
1.食育における食育の意義・目的と基本的考え方
2.食育の内容と計画及び評価
3.食育のための環境
4.地域の関係機関や職員間の連携
5.食生活指導及び食を通した保護者への支援
第7章 家庭や児童福祉施設における食事と栄養
1.家庭における食事と栄養
2.児童福祉施設における食事と栄養
第8章 特別な配慮を要する子どもの食と栄養
1.疾病及び体調不良の子どもへの対応
2.食物アレルギーがある子どもへの対応 3.障害がある子どもへの対応
3.障害がある子どもへの対応
書籍に関する
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