子ども家庭支援論 ―家族の多様性とジェンダーの理解―

  • 2019年度新保育士養成課程対応
著 者
発行年月日
2019年11月15日
ISBN
978-4-7679-5118-8
Cコード
C3037
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定価 2,200(本体価格:2,000円) 在庫あり

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内容紹介

保育士養成課程の「子ども家庭支援論」の教科書。子どもと家族に対する,日本国憲法と福祉教育的権利保障,家族の多様性、ジェンダーの3つの視点を柱として,具体的,実践的内容を盛り込み記述。

まえがき

はしがき

 子どもを育てることは,人生のなかで最も難しい課題となっている。子どもを生めば,家族と地域という共同体のなかで自然に子育てができる時代はとっくに過去のこととなっている。また家族をつくれば,しあわせが保障されるという期待と思い込みは幻想に等しい。そのことは子ども虐待,子どもの貧困,ドメスティックバイオレンス(DV)などの現実をみても明らかである。現代家族はお互いの努力と協力,必要なときに家族を社会的に支援するしくみが整っていることで家族生活を維持し継続できるのである。家族だけで子育ての困難やトラブルを抱え込むことはより問題が深刻化することにもなりやすいのが実際である。

 同時に家族は子どもの豊かな発達をはぐくみ,子どもが社会的に自立していく基本的な生活基盤である。親たちの共働きスタイルは一般化し,子どもを育てながら完全なひとり働きの家族スタイルを継続している家族は少数派となっている。

 子どもたちは多くの場合,家族という人間関係のなかで育っているが,その育ちや発達の状況は家族の経済力や関係性によって,人生はじめの時期を豊かにのびのびと歩むかどうかに大きな格差を生じている。

 家族生活をみれば,1990年代後半から暮らしの条件が悪化し,生活の困難は拡大・深刻化している。暮らしをめぐる統計指標をみると,1998年を転機に,①子ども虐待,②DV,③子どもの貧困,④生活保護受給率の増加などが悪化の一途をたどってきた。さらに労働環境の悪化(実質賃金の低下傾向,非正規労働の増加,長時間労働の容認など)は,働く保護者が「家族責任」(1981年6月に開かれたILO第67回総会は,「家族的責任を有する男女労働者の機会均等及び平等待遇に関する条約(156号)ならびに勧告(165号)」を採択)を果たしにくくなっている現実が確実に広がっている。

 本書の問題意識は,各章でもそれぞれのテーマと領域から繰り返し強調される「家族の多様性」と「ジェンダーの理解」に基づいた「子ども家庭支援」の基本理念(物事の根底にある根本的な考え方)と実践のあり方の追究である。

 「支援」という用語は近年よく使われ,専門分野では常用語となっている。その点についていえば,私たちがめざす専門職は,支援する側に基本的に立つ仕事である。支援する側に立つときの専門職にはいくつもの“落とし穴”が待ち受けている。子ども家庭支援の関係をみれば,支援する/される,情報をたくさんもっている/乏しい,改善策を提案する/される,アドバイスする/される,励ます/励まされるなど,圧倒的には専門職側が主体的で,支援を受ける側が受け身に立たされることが多い。この事実関係のなかで考えるべきことは,支援する側の内容を,支援を受ける側がいかに受け止め,主体的に現在の状況を変えようとするエンパワメントに結びつけているかにある。支援する側=実践者からみると“支援の対象”ではあるが,そこには主体性をもった人がいて,家族という人間集団が人生を模索している生活の実践者の現実があるという臨床の現場に立つ姿勢が問われるのである。その現実を前にして,何のために,何をめざして,どのような実践を創ろうとしているのかが専門職に求められ,たじろがない勇気が専門職に問われている。人間のいのちや人生に深く関わる実践分野であり,自らの課題を手放さずに学びを通して,考え続けてほしいと願っている。

 学ばぬものに発達なし!

 2019年10月

共編者 浅井春夫

目 次

序 章 はじめに―何のために,何を,どのように学ぶのか

第Ⅰ部 家族・家庭の過去・現在・未来

第1章 家庭生活のリアリティを把握する視点

第2章 「家族」はどう変わってきたのか

第3章 家族の機能とは何か

第4章 ジェンダーの視点で家族をとらえる

第Ⅱ部 支援機能の中身を考える

第5章 地域社会と労働環境はどう変わってきたのか

第6章 男女共同参画社会と家庭における平等の具現化

第7章 子ども家庭支援のために役立つ法律・制度

第8章 子育て支援サービスの機能とその落とし穴

第9章 保育所による子ども家庭支援の実際と支援の方法

第Ⅲ部 家庭の危機と対応方法を考える

第10章 子ども虐待・DVの現実と子ども家庭支援

第11章 子どもの貧困と家庭支援

第12章 「障がいのある子」をもつ家族と子ども家庭支援

第13章 精神障害のある保護者と子ども家庭支援

第14章 世界の子育て支援から学ぶこと

第15章 子ども家庭支援と保育者の専門性

終 章 子ども家庭支援の究極の目的とは何か

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書籍情報

シリーズ名・巻数
書籍名 子ども家庭支援論
著 者
分 野
シリーズ
ISBN 978-4-7679-5118-8
Cコード C3037
定 価 2,200円 (本体価格:2,000円)
発行年月日 2019年11月15日
版型・装丁 A5 並製
ページ数 192ページ
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