令和2年1月1日
令和時代―一年間の出生数九十万人を割り込む―(コラム)
昨年5月1日に改元が行われ,時代は令和となったが,その前月,平成最後の月となった平成31年4月の人口動態統計月報の集計(厚生労働省)で,過去1年間(前年5月から)の出生数が初めて90万人を割り込んだことがわかった。
年の当初1月には,91万3,000余人であった過去1年間の出生数は,3月には約90万2,700人まで減少,ついに4月に89万7,691人となったのである。令和となってからも減少のスピードはゆるまず,6月には88万9,595人となっている。
年間の出生数が100万人の大台を切ったのは,平成28年の約97万7,000人であった。このことは少子高齢社会,人口減少社会の象徴の数字として大きな話題を呼んだが,その前,110万人を割り込んだのは平成17年のことである。年間10万人の出生数減に10年以上費やしていたものが,100万人から90万人までは,わずか2年半で減ってしまったことになる。
出生数の減は,当然人口の自然減(出生数-死亡数)にも影響を及ぼす。同じく人口動態統計月報の集計によれば,令和元年6月の過去1年間の人口自然減は,過去最高の約47万8,000人であった。この数字の最近の増加率を考えると,まだ最新の統計は公表されていないが,平成31年・令和元年の1年間の人口自然減は50万人の大台を超えたものと推計される。
これらは単に統計数値の区切りに過ぎず,わが国の少子化や人口減少が令和になって新たに問題となったわけではないが,国が縮小していく今世紀日本の今後を表しているといえよう。
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