カレント

改訂 栄養教育論

著 者
発行年月日
2026年4月20日
ISBN
978-4-7679-0608-9
Cコード
C3047
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定価 3,410(本体価格:3,100円) 在庫あり

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内容紹介

栄養教育の理論とモデルを概観し,事例編により栄養教育の実践を深く理解できるように編集。

初版から10年を経て全面改訂を実施。新たな編著者と執筆陣により内容を再構成し,学童期・思春期を独立章として充実。

最新情報と現場の実践事例を反映した改訂版。

まえがき

はじめに

 わが国は,世界に類を見ない超高齢社会に対応するために,地域包括ケアシステムの推進,急性期病院の病床数の削減と機能の転換,医療・介護連携の強化,在宅サービスの重視など保健医療福祉制度の急速な変革が推進されてきています。

 国民の健康寿命を延伸し,医療・介護サービスを効率化するという観点から,1997年に厚生労働省「21世紀の管理栄養士のあり方検討会」において,管理栄養士による傷病者の栄養管理とチーム医療への参画が提唱されました。栄養士法の改定によって,管理栄養士の業務は,従来の「栄養の指導」から「傷病者に対する療養のため必要な栄養の指導」となりました。2002年新カリキュラム改定によって,『栄養教育』には,体系的な行動変容理論・モデル,カウンセリング技法やPDCAサイクルによるマネジメントが導入されました。

 さらに,近年の医療・介護保険制度改定においては,管理栄養士による栄養教育・栄養相談には退院支援や在宅訪問の取り組みの充実が求められてきました。さらに,地域包括ケアシステムの推進にあたって,地域の食環境の整備や住民参加型の地域社会づくりの観点が重視されてきています。

 このような社会的ニーズに対応するために,『カレント栄養教育論』の編集にあたっては,平成27年4月の国家試験ガイドラインを踏まえたうえで構成しました。第Ⅰ編においては次の点に留意しました。

 第1章 21世紀の栄養教育を担う管理栄養士として理念を明確化すること。

 第2章 栄養教育のための理論的基礎は簡潔な表現とし,抽象的な理論やモデルの理解やその活用を支援すること。

 第3章 栄養教育のマネジメントは,その用語や方法を理解し,実践時に活用できること。

 また,第Ⅱ編の栄養教育の実践事例では,様々な栄養教育の臨地における,比較的複雑な課題を有する事例(個別,集団)から,学生が教員とともにその特性や栄養教育の実際の取り組みについての理解を深め,考えていけることを重視しました。

 本書の執筆は,栄養教育の専門家とこれからの栄養教育の教育研究を担う若手の研究・教育者に担当していただくことができました。また,第Ⅱ編の事例は,それぞれの栄養教育現場で活躍している管理栄養士が協力執筆することによって,栄養教育のリアルで生き生きとした取り組み事例(教科書用に作成編集されている)を提供することができました。これらの執筆者のご協力によって,本書は,現代社会の様々な栄養問題を解決するための栄養教育の基礎から実践的活用までを学べる新しい教科書となりました。

 本書をご利用頂いた教員や学生の皆様は,是非,ご意見や,ご要望,ご感想をお寄せ下さいますようにお願いいたします。これからの栄養教育の学習の一助となるようにさらに改訂して参りますので,どうぞよろしくお願いいたします。

2016(平成28)年5月吉日

編者 杉山みち子

赤松 利恵

桑野 稔子


「第2版」にあたって

 2016(平成28)年に初版を刊行して以来4年が経過し,その間,管理栄養士国家試験出題基準の改定がなされ,また診療報酬・介護報酬の改定においては,管理栄養士の専門業務に関わる報酬制度の見直しが行われました。さらに,地域包括ケアシステムは推進され,高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施に向けて管理栄養士業務はより一層の専門性を求められてきています。

 今回,国家試験出題基準の改定に対応し,「ナッジ」「動機づけ面接」といった新たな項目について加筆しました。さらに,がん患者への栄養指導や公衆栄養分野でのポピュレーションアプローチの重要性が高まっていることも鑑み,事例編では栄養教育論としての切り口から,第9章(傷病者)に「胃がん患者の退院後の栄養食事指導」を,新章として「第12章 食環境の整備」を設け,「市内飲食店事業者等を巻き込んだ食環境整備の推進」の事例を加えました。どちらもその方面での実務経験をお持ちの先生方にご執筆いただきました。

 ところで,この度のCOVID-19によって「New Normal」と言われ急激に変化していく社会や日常の生活様式において,今後の栄養教育学習において重視すべき理論,技術およびその実務のあり方も大きく変化していくことになります。そこで,本書をご活用いただく教員や学生の皆様には,今後の改訂にあたってのご意見を,是非,お寄せいただけますようにお願いいたします。

 本改訂により,栄養教育学習の一助となれば幸いです。

2020(令和2)年6月

編者

目 次

第Ⅰ編 栄養教育の理論


第1章 栄養教育の概念

1.栄養教育とは

(1)栄養教育の定義

(2)栄養教育と健康教育・ヘルスプロモーション

(3)栄養教育と食育

(4)食行動の多様性

2.栄養教育の対象と機会

(1)ライフステージやライフスタイルからみた対象と機会

(2)健康状態からみた対象と機会

(3)個人・組織・地域社会のレベル別にみた栄養教育の対象と機会


第2章 栄養教育のための理論的基礎

1.栄養教育と行動科学

(1)行動科学の定義と栄養教育における位置づけ

(2)行動を理解・予測・支援するための理論とモデル

(3)栄養教育における行動科学の応用

2.行動科学の理論とモデル

(1)刺激−反応理論

(2)KAPモデル

(3)ヘルスビリーフモデル

(4)計画的行動理論

(5)社会的認知理論(社会的学習理論)

(6)ソーシャルサポート

(7)ストレスマネジメント

(8)認知再構成法

(9)ソーシャルスキルトレーニング

(10)ナッジ

(11)トランスセオレティカルモデル

3.組織づくり・地域づくりへの展開

(1)組織づくり・地域づくりの意義

(2)コミュニティオーガニゼーション

(3)組織・ネットワークづくり

(4)コミュニケーション理論

(5)ヘルスリテラシー

(6)イノベーション普及理論

(7)ソーシャルマーケティング

(8)生態学的モデル

(9)プリシード・プロシードモデル

4.食環境づくりとの関連

(1)食品へのアクセスと栄養教育

(2)情報へのアクセスと栄養教育

5.栄養カウンセリング・コミュニケーション

(1)栄養教育におけるカウンセリング

(2)カウンセリングの基本

(3)カウンセリングの基礎的技法

(4)認知行動療法

(5)動機づけ面接

(6)コーチング

(7)コーディネーション

(8)栄養カウンセリングの実際


第3章 栄養教育マネジメント

1.栄養教育マネジメント

(1)栄養教育マネジメントの進め方

2.栄養教育マネジメントにおける,アセスメントの意義,目的

(1)栄養アセスメントの意義,目的

(2)栄養アセスメントの種類,方法

3.健康・食物摂取に影響を及ぼす要因のアセスメント

(1)個人要因のアセスメント

(2)環境要因のアセスメント(疫学アセスメント)

4.栄養診断

(1)栄養アセスメント

(2)栄養診断

(3)栄養介入

(4)モニタリングと評価

(5)PESによる記載例

5.栄養教育の目標設定と評価

(1)目標設定の意義

(2)目標設定の方法

(3)目標の種類

(4)栄養教育の評価

(5)評価の研究デザイン

(6)評価の信頼性と妥当性

6.栄養教育計画立案

(1)学習者の決定

(2)期間・時期・頻度・時間の設定

(3)場所の選択と設定

(4)実施者の決定とトレーニング

(5)教材の選択と作成

(6)学習形態の選択

7.栄養教育プログラムの実施

(1)モニタリング

(2)実施記録・報告


第Ⅱ編 栄養教育の展開の実際―ライフステージ・対象者別栄養教育の展開


第4章 妊娠・授乳期の栄養教育

1.妊娠・授乳期の栄養教育の留意事項

(1)アセスメントの要点

(2)栄養教育の留意点

2.事例:妊娠期の外来栄養教育


第5章 乳幼児期の栄養教育

1.乳幼児期の栄養教育の留意事項

(1)アセスメントの要点

(2)栄養教育の留意点

2.事例:認定こども園における食育活動


第6章 学童期の栄養教育

1.学童期の栄養教育の特徴と留意事項

(1)学童期のアセスメント

(2)学校における食育の実施計画

2.事例:教科等における食に関する指導 「育ちゆく体とわたし」における学習指導案(小学校第4 学年 体育・保健領域)

3.事例:個別的な相談指導 中等度肥満の小学校3 年生の男子児童に対する個別的な相談指導


第7章 思春期栄養教育

1.思春期の特徴と栄養教育の意義

2.思春期のアセスメント

3.思春期の栄養教育の目標と枠組み

4.事例:思考力・判断力・表現力を高める実践例(中学校第1学年 保健体育科)


第8章 成人期の栄養教育

1.成人期の栄養教育の留意事項

(1)成人期の栄養・食生活の課題と栄養食事指導

(2)特定健診・特定保健指導

2.事例:大学病院更年期外来における栄養教育

3.事例:食生活改善の集団教室(メタボリックシンドローム)


第9章 高齢期の栄養教育

1.高齢期の栄養教育の留意事項

(1)アセスメントの要点

(2)計画作成

(3)実施の際の留意点

(4)評価

(5)認知機能が低下した要介護状態の高齢者への対応

2.事例:低栄養のおそれのある後期高齢者に対する

訪問栄養教育(高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施におけるハイリスクアプローチ)

3.事例:市町村における介護予防・栄養改善プログラム(高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施におけるポピュレーションアプローチ)


第10章 傷病者の栄養教育

1.傷病者の栄養教育の留意事項

(1)傷病者の栄養食事指導 

(2)他(多)職種との連携

(3)栄養食事指導に関する診療報酬

2.事例:慢性腎不全患者の外来栄養食事指導

3.事例:糖尿病(前期高齢者)の栄養食事指導

4.事例:胃がん患者の退院後の栄養食事指導


第11章 障害者の栄養教育

1.障害者の栄養教育の特徴と留意事項

(1)制度と基本理念

(2)アセスメントの要点

(3)計画作成

(4)目標の設定と評価

(5)障害特性別の栄養教育と留意事項

2.事例:自閉症児の病院外来での個別栄養食事指導

3.事例:肢体不自由障害児の個別栄養食事指導

4.事例:重症心身障害児の通所支援事業所における個別栄養食事相談


第12章 アスリートの栄養教育

1.アスリートの栄養教育の特徴と留意事項

(1)スポーツ栄養マネジメント

(2)アスリートの栄養教育の特徴

(3)栄養教育で用いるモデルや理論

(4)アスリートの栄養教育の留意点

2.事例:高校野球部のアスリートへの栄養サポートにおける栄養教育


第13章 食環境の整備

1.事例:市内飲食店事業者等を巻き込んだ食環境整備の推進(情報へのアクセスと食物へのアクセスを統合した栄養教育)


資料 栄養教育の理論に関する重要参考文献

索引


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書籍情報

シリーズ名・巻数 カレント
書籍名 改訂 栄養教育論
著 者
分 野
シリーズ カレント
ISBN 978-4-7679-0608-9
Cコード C3047
定 価 3,410円 (本体価格:3,100円)
発行年月日 2026年4月20日
版型・装丁 B5 並製 2色
ページ数 240ページ
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