教師論の科目に対応しつつ,保育士養成向けの内容も包含。保育者の実際に触れ,職業としてイメージしやすいように編集。 学生自身が各章の内容から,求められる心構えや知識,考え方,方法をつかみ,自分自身を見つめ,さらには自分の課題を見いだして,自身の保育者像を描けるように意図する。
2019年からの新保育士養成課程に対応。
教師論の科目に対応しつつ,保育士養成向けの内容も包含。保育者の実際に触れ,職業としてイメージしやすいように編集。 学生自身が各章の内容から,求められる心構えや知識,考え方,方法をつかみ,自分自身を見つめ,さらには自分の課題を見いだして,自身の保育者像を描けるように意図する。
2019年からの新保育士養成課程に対応。
保育者になりたいと希望に胸をふくらませて養成校に入学した皆さんは,今どのような思いをいだいているのでしょうか。
本書は,これから保育者になろうとする人達が,保育の場で実際に働いている保育者像をイメージしやすいように,先輩保育者からのメッセージを出発点として,保育における子どもとのかかわりで大切にしていること,子ども達の豊かな生活環境をつくること,保護者や小学校・他の専門職との連携,現場で働く保育者の仕事内容,法令で定められた責務,社会の変化に対応して求められる保育者の役割や期待されることなど,具体的な記述を通して伝えようと,編者・執筆者一同,討議を重ねて編まれています。
養成校で学んだのち,保育者として子どもと生活をともにすることになる皆さんは,在学中に勉強したことを,幼稚園実習や保育所実習の場で実際の保育とつなげ,保育する心と実践力をそれなりに身につけられることでしょう。しかし実際の保育の場は多様で,いろいろな事柄が混在しています。保育をすることだけではなく,保護者への対応や支援,小学校教育や地域とのつながり,特別なニーズをもつ子どもへの援助など,保育者に求められる働きは多岐にわたります。そのときどきに,保育者は精一杯対応していきますが,その保育者の毎日の働きがどのような意味をもっているのか,いったい何がどのような理由で求められているのか,そこで尊重していくべきことは何であるのか,そして保育者に何が期待されているのか,考えなければならないことはたくさんあります。学生であるときに,このようなことについて整理し,一つ一つ丁寧に考え学んでください。
本書では,保育者として「こういう能力が必要ですよ」と直接的には書かれていません。皆さん自身が,各章の内容から,求められる心構えや知識,考え方,方法をつかみ,自分自身を見つめ,さらに自分の課題を見いだして,自身の保育者像(保育観)を描けるようにしてほしいとの意図からなのです。それが,実践しつつ学ぶ保育者として成長していくために,もち続けたい基本的な姿勢だからです。
本書を教科書としてだけではなく,保育者になってからも折に触れて開いていただき,保育の一助となるように役立てていただけることを願っています。
2011年に入学の学生から適用された保育士養成課程において「保育者論」が必修科目として設けられ,学習内容が示されました。これを受け,本書においても,教職課程における教師論,教職論のみならず,保育士養成課程で必修になった意味を精査し,2011年9月に改訂版を発行しました。
2015年4月には「子ども・子育て支援新制度」が本格スタートし,本書においても関連する記述を改め,改訂第2版を発行しました。
また,2017年3月,幼稚園教育要領,保育所保育指針,幼保連携型認定こども園教育・保育要領が改められたのに伴い,改訂第3版を発行しました。
そして2019年度より新しい教職課程・保育士養成課程が実施されることに伴い,科目の内容も改められたため,本書においても再び改訂を行い,ここに三訂版を刊行した次第です。
本書を手がかりにして学びながら,いつの時代にも変わらず大切にすること,社会の変化に応じて求められること,そして保育者としてあるべき姿について考え,子ども達の未来につなげていってくださることを期待しています。
2019年2 月
編者 榎田二三子
大沼 良子
増田 時枝
第1章 保育者になるということ
1.「育てられる人」から「育てる人」へ
2.やってみよう,感じてみよう,考えてみよう
第2章 保育の本質
1.保育とは何か
2.保育者の子ども観・保育観
第3章 保育実践と保育者
1.幼稚園における子どもとのかかわり
2.保育所における子どもとのかかわり
3.幼保連携型認定こども園における子どもと保育者
第4章 豊かな環境をつくる保育者
1.環境と保育
2.子どもの生活を支える環境
3.環境の再構成と活動の展開・発展
4.豊かな環境を作るために
5.保育の展開と評価
第5章 保育者の協働
1.求められる保護者支援
2.保護者との協働の実際―子育てのパートナーシップとして
3.地域に開かれた保育―子育てコミュニティーの中核として
4.専門職間との協働
5.専門機関との連携
6.地域保育事業における連携・協働
第6章 小学校の先生と連携する保育者
1.幼稚園・保育所等から小学校への段差とは
2.子ども達の交流活動
3.大人達の連携
第7章 学び,成長する保育者
1.保育者になるための学び
2.専門性・資質向上の取り組み
3.学び続ける保育者
第8章 保育者のキャリア形成と生涯発達
1.幼稚園における保育者
2.保育所における保育者
3.幼保連携型認定こども園における保育者
4.児童福祉施設における保育者
第9章 法令で定められた保育者の責務と制度的位置づけ
1.法令と保育者
2.教育・保育の基本に関する法令
3.免許状・資格に関する法令
4.幼稚園教諭・保育士・保育教諭の職責に関する法令
5.保健・安全に関する法令と保育者
6.保育事故と保育者の法的責任に関する法令
第10章 歴史から学ぶ保育者のあり方
1.保育者の誕生期
2.大正,昭和初期にみる幼稚園教育の普及と幼稚園保姆の地位
3.戦後の保育制度と保育者
4.昭和30年代~昭和後期にみる専門家としての保育者像
5.子どもを取り巻く環境の変化と保育者に期待される役割
第11章 子育て環境と保育者の役割の変化
1.少子化と保育
2.地域の子育て家庭と保育
3.個別のニーズと保育
4.多様化する保育と保護者支援
5.多様なニーズへ対応する保育者への期待
2019年度から実施の新しい保育士養成課程における新科目,「子どもの健康と安全」の教科書。
保育士養成課程,社会福祉士養成課程ほかの「子ども家庭福祉」(児童福祉論)に対応した教科書。子どもの人権を基盤に据えて,子どもの問題の背後にある社会の問題を意識して論ずる。
保育士養成課程の演習科目「子育て支援」に対応した新刊。保護者と協力して子どもを育てる視点を大切にし,主体的に学ぶ演習を網羅した。
保育士養成課程「子どもの理解と援助」に対応。発達的観点から子どもを理解し,適切な援助を行う実践力を養う。教職課程「幼児理解の理論及び方法」にも対応した内容構成。
保育士養成課程教科書。統計および法令の記述を更新した「第2版」。こども家庭庁ほか,最新の情報に基づき改訂。より充実した内容に。
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