保育を学ぶ人のための 子どもの保健 第2版

著 者
発行年月日
2023年11月30日
ISBN
978-4-7679-5146-1
Cコード
C3047
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定価 2,090(本体価格:1,900円) 在庫あり

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内容紹介

養護の視点と保育の場における対応を踏まえ,心身の健康および安全管理のための実践力習得を目指して編纂。

新型コロナウイルス感染症が感染症法上五類に分類され,学校保健安全法施行規則で第二種感染症に位置付けられ出席停止期間が規定された。この機を捉え,統計資料を更新し,法令・制度の変更点を改めた。

まえがき

はじめに

 わが国の保育士養成は,1948年以来70年の歴史があり,保育士養成課程はこれまで6 回の大きな見直しが行われている。保育の基準である保育所保育指針の4 度目の改定(2017年3 月)を受け,新養成課程は2019年4 月より適用される。

 新保育士養成課程カリキュラムでは,保育を取り巻く社会情勢の変化,保育所保育指針等の改定等を踏まえ,「より実践力のある保育士の養成に向けて」という副題のもと,具体的な6 つの見直しの方向性を述べている。本書で扱う“子どもの保健”については,その中の“「養護」の視点を踏まえた実践力の向上”が関連する。保健的観点に基づく保育の環境整備や,各種ガイドラインを踏まえ,心身の健康・安全管理の実施体制など実践的な力を習得させるため,教科目の整理・充実が図られた。従来の「子どもの保健Ⅱ」(演習1 単位)は「子どもの健康と安全」(演習1 単位)に改められた。

 「子どもの保健Ⅰ」は,保育における保健的対応に関する基礎的事項を修得する教科目

として教科内容が再編された。「子どもの心理発達・子どもの精神保健」は「保育の心理学」(講義2 単位)に,「環境及び衛生管理並びに安全管理」は「子どもの健康と安全」(演習1 単位)に移行し,従来の「子どもの保健Ⅰ」(講義4 単位)から「子どもの保健」(講義2 単位)へと縮小された。前回の見直しの主旨である「健康な児童を中心とした保育の場において」「保育者が実践するための」内容がより求められることにはなったが,単位の減少については非常に残念である。本書は,こうした流れを受けて,2014年3 月初版の『保育保学ぶ人のための子どもの保健Ⅰ』を改訂・改題して企画・発刊した。

 前回の養成課程の見直し時に「保育所における子どもに保育職が実践するための保健」と教授内容である小児保健の範囲が「保育の場における保健」に限定され,「小児保健」から「子どもの保健」へと名称が変更された。当初から本書はそのことを意識して構成してきたので,その点については大きな変更はない。本書刊行にあたっては,今回の改定で求められている「保育の場における対応」について,いくつかの箇所で加筆している。

 新カリキュラムに対応した本書は,基本的には養成校のテキストとして編纂されている。しかし,子どもの成長・発達の理解に関しては,運動発達とは切り離せるものではない「心理発達」の項目は,割愛せず従来のままとした。「心理発達」については,他科目でも教    授されているということを踏まえて進めていただくことを期待したい。

 なお,統計データやガイドライン,法律については最新のものを取り上げ,国の施策や社会情勢の変化にできる限り対応できるようにしたが,毎年のように変わる「予防接種法」をはじめ,保育保健分野の動向には常に注意を払っていただきたい。巻末に,保育保健に関連するWebサイトの一覧を掲載してあるので参考にしてほしい。

 本書が,将来保育者となって活躍することを夢見る学生諸君にとって,積極的な学習への動機づけの一助とならんことを念願してやまない。

 最後に,本書を刊行するにあたり,ご執筆にご協力いただいた先生方ならびに建帛社の方々に心より御礼申し上げる。

  2019年1 月

編著者 堀 浩樹

梶 美保


第2版にあたって

 本書初版刊行の2019年から4年以上が経過した。この間,2020年以降は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックの中にあった。去る5月,COVID-19が感染症法上五類に分類されるとともに,学校保健安全法施行規則においても第二種感染症に位置づけられ,出席停止期間も規定された。この機を捉え,全体の章立て,項目等の改訂は行わないが,統計資料を更新し,法令・制度の変更点を改め,「第2版」を刊行する。

 COVID-19は,もちろん子どもの保健にも大きな影響を及ぼした。しかし,本書においては,感染症としての概要を既述の感染症と同様に示すにとどめた。医学,社会学,教育学,心理学等さまざまな立場からのアプローチは,成書で学んでほしい。

 今までにも増して,保育士養成課程の学びに役立てていただければ幸甚である。

  2023年12月

編著者 堀 浩樹

    梶 美保

目 次

第1章 子どもと保育保健

1  子どもの定義と保育保健のための方と理念

2 保育保健の意義

第2章 子どもの健康と統計

1 子どもの健康

2 子どもにかかわる諸統計

第3章 子どもの健康と地域における保健活動・虐待防止

1 現代社会における子どもの健康に関する現状

2 子どもの健康課題

3 子どもを取り巻く地域における保健活動

4 児童(子ども)虐待と対策

第4章 子どもの成長・発達と保健

1 子どもの成長と発達

2 子どもの生理機能の発達

3 子どもの身体発育

4 子どもの運動・精神機能の発達

5 子どもの成長・発達と保育

第5章 子どもの心身の健康状態とその把握

1 日々の健康観察と心身の不調の早期発見

2 成長・発達の把握と健康診断

3 保護者との情報共有

第6章 子どもの病気と予防

1 子どもの病気の考え方

2 感 染 症

3 アレルギー疾患

4 子どもに多いその他の病気

【免疫・アレルギー疾患】:川崎病(小児急性熱性皮膚粘膜リンパ節症候群,MCLS)

【先天異常・新生児疾患】:ダウン症候群

【消化器疾患】:肥厚性幽門狭窄症,腸重積症,ソケイヘルニア,虫垂炎

【呼吸器疾患】:かぜ症候群,クループ症候群,細気管支炎,中耳炎

【循環器疾患】:先天性心疾患

【血液・腫瘍性疾患】:貧血(鉄欠乏性貧血,栄養障害による貧血),白血病

【腎・尿路系疾患】:急性腎盂腎炎,停留睾丸(精巣),急性糸球体腎炎

【神経・筋疾患】:髄膜炎,脳炎・脳症,脳性まひ,けいれん性疾患,泣き入りひきつけ

【そ の 他】:おむつかぶれ,乳児寄生菌性紅斑,乳幼児突然死症候群(SIDS)

5 子どもの病気の予防-予防接種

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書籍情報

シリーズ名・巻数
書籍名 子どもの保健 第2版
著 者
分 野
シリーズ
ISBN 978-4-7679-5146-1
Cコード C3047
定 価 2,090円 (本体価格:1,900円)
発行年月日 2023年11月30日
版型・装丁 B5 並製
ページ数 144ページ
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