管理栄養士・栄養士養成課程に対応。
調理の基礎理論や知識,操作方法を網羅し,昨今の食環境や食生活の変化をふまえたベーシックな1冊。
管理栄養士・栄養士養成課程に対応。
調理の基礎理論や知識,操作方法を網羅し,昨今の食環境や食生活の変化をふまえたベーシックな1冊。
“現代の食生活の多様化と変貌には目を見張るものがあり,さらに新しい時代への足音が高まっている。食の営みのターゲットは,「おいしく食べて健康長寿でありたい」「おいしく食べて美しくありたい」ということである。”
これは,本書の前身である『N ブックス調理学』(川端晶子・畑明美共著,初版2002 年刊行)の冒頭の一節であるが,18 年経った今も,この文章にさほどの違和感はない。当時と同様,わが国は,家族形態やライフスタイルの多様化,超高齢社会の進行などの社会的変容を背景に,食へのニーズが多様化・複雑化し,さらに,食料自給率の低下,食料資源の浪費,伝統的食文化の衰退といった課題を抱えている。しかし,その変化のスピードと規模,課題の深刻化は,18年前の想定をはるかに超えるものであった。そのため,課題解決に向け,「食育基本法」の制定,「食生活指針」,「健康日本21」の策定などが行われてきた。また,2013 年には「和食;日本人の伝統的な食文化」がユネスコ無形文化遺産に登録された。世界的には2015 年の国連サミットにおいて「持続可能な開発目標(SDGs)」が決定されるなどの動きも活発化している。
人は,生理的欲求と生活文化に基づく価値判断によって,その日にいただく食べ物の選択を行っているが,その最終的な価値を決定づけるのが調理である。そのため,上述した食に関わる課題解決に向け,調理の意義はますますの高まりをみせている。
だからこそ,本書は,“調理学は「どのような食べ方をしたらよいか」を学び,研究する学際領域の学問である”という,前出『Nブックス調理学』での提言を深く受け止め,これを基本方針とした。
前出『N ブックス調理学』は,調理学の教育と研究の進展に力を尽くされた川端晶子先生,畑明美先生のお二人で執筆された。内容は,シンプルながらも“人の心身の健康と幸福を願い,調理に関する事柄を科学的に究明し,法則性を見出し,調理の技術の向上や食生活の実践に役立つ理論を提供すること”が調理学の使命であるという熱い思いの詰まったものだった。しかしながら,ここ20 年弱の社会変化に鑑みれば,本書がこれからの大学・短期大学等における「調理学」の学びに貢献し続けるためには,普遍的な調理の理論に加えて,人々の暮らしの変貌や食関連技術の進歩に即した内容,調理科学の新たな知見を加えることが不可欠であった。そこで,本書の趣旨にご賛同いただけた執筆陣の先生方によるご尽力のもとこのたび「新版」としてN ブックスの新たな「調理学」を刊行させていただくこととなった。
「新版」では,目指す専門性は違っても調理学を学ぶ皆さんにとって,より活用しやすいものとなるよう,“調理” に関わる事柄を広く収集した上で,内容を整理し,それぞれの事象を限りある紙面の中でできるだけ丁寧に解説するよう努めた。調理理論の基礎はそのままに,最新の調理科学や社会の変化にも対応した内容が加わり,あらゆる立場で広く活用いただけると考える。本書が,調理学への興味をかきたて,理解を深め,これからの食分野の発展に貢献することを切に願っている。
本書の執筆にあたり,多くの先達による文献や成書を引用あるいは参考にさせていただいた。心からの感謝の意を表したい。
終わりに,「新版」発行のご提案をいただき,献身的なご尽力,ご配慮をいただいた建帛社社長筑紫和男氏をはじめ,編集部の方々に心よりお礼を申し上げる。
2020 年2 月
鈴野 弘子
真部真里子
第1章 調理学の概要
1.調理とは何か
2.調理の文化
3.食生活と調理
4.食事計画と献立
第2章 おいしさの科学とその評価
1.おいしさの科学
2.おいしさの評価
第3章 調理操作と調理機器
1.調理操作の意義
2.非加熱調理操作
3.加熱調理操作
4.調理機器
5.調理システム
6.調理エネルギー
第4章 食品の調理特性
1.植物性食品の調理特性
2.動物性食品の調理特性
3.抽出食品素材
4.調味料・香辛料
各疾患の病態生理/栄養アセスメント・モニタリング/栄養基準/栄養食事指導等,栄養状態を評価し栄養ケア・マネジメントを実践するための知識を詳述。最新の診療・介護報酬や学びを支える巻末資料も充実。
栄養士・管理栄養士養成課程教科書。日本人の食事摂取基準(2025年版)に対応した六訂版。ライフステージごとの特性を踏まえた実践への展開を詳述する。令和5年国民健康・栄養調査ほか最新のデータを示す。
管理栄養士養成課程教科書。実践の場で役立つ学びを重視し、管理栄養士が実際の現場で直面する「マネジメントの手法」をわかりやすく説く。大きく変化する給食を取り巻く環境について、最新の情報を提供。
管理栄養士・栄養士養成課程向け教科書。「社会・環境と健康」領域を十分にかつ簡潔に網羅した内容の書籍。公衆衛生上の新たな動向に即応し,食事摂取基準2025年版に対応した六訂第2版。
2024年公表の栄養士実力認定試験出題基準(ガイドライン),および日本人の食事摂取基準2025年版に準拠した給食管理の教科書。食物アレルギーについても記載する。
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