介護過程

著 者
発行年月日
2021年2月15日
ISBN
978-4-7679-3435-8
Cコード
C3036
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定価 2,860(本体価格:2,600円) 在庫あり

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内容紹介

問題解決思考に拠る介護過程が展開できるよう,事例とその演習を通して情報収集・アセスメント・介護計画の詳細な理解を促す構成。

まえがき

まえがき

 「介護過程」は,1988 年の介護福祉士養成開始時のカリキュラム(指定基準)にはありませんでしたが,現在は150 時間(養成施設ルート)の教育内容が指定されています。そして,2019 年度より順次導入されたカリキュラムでは,「介護過程の実践力の向上」のために教育内容の充実が図られました。

 介護福祉士養成が開始された当時,特別養護老人ホームの居室は4 人部屋以上が多かったのですが,現在最も多いのは個室です。このように実践の現場は変化していますが,介護福祉士の養成教育も法律や制度,実践の考え方や実践の蓄積などの影響を受けて変化してきました。これからも変化していくでしょう。また,多様な実践があるのと同じように,介護過程に対する考え方も多様です。本書では,介護過程の定義やアセスメントのための考え方,アセスメントシートなどを提示していますが,多くの考え方の中のひとつにすぎません。

 介護過程の学習における共通したねらいは,介護実践における思考過程の訓練や,根拠ある実践方法を学ぶことです。そのため,本書は下記のような目的で作成されました。

 ①  第1 章は,介護過程を学ぶための準備にあたります。既に他科目で学んだ内容もあると思いますが,演習を通して学ぶ内容となっています。

 第2・3 章は,介護過程展開の全体に関連します。介護過程を学ぶための基礎として,ケアマネジメントと介護過程の関係,介護過程の定義と意義,ICF の生活機能モデルと介護過程,介護過程展開の視点について述べています。

 第4 章は「介護過程の展開」についての具体的な説明です。

 第5 章は前章までの学びを踏まえ,事例による介護過程の学習です。

 そして,さらなる学びに向けて,第6 章は「介護過程の展開を事例研究としてまとめる」,「介護過程に活用できる理論・モデル」について説明しました。

 付章には介護過程の演習事例を記載し,巻末には本書で使用した情報収集シートなどを掲載しました。

 ②  介護を要する利用者は高齢者や障害者,子どもなど多様です。そのため,同じ情報収集シートを用いることには限界があります。限界はあるものの,本書の情報収集シートは,生活の主体者は利用者自身であること,「本人の実際」と「実際になされている支援」の事実を把握する,情報源の区別ができるように記号で示すなどを踏まえて作成しました。

 ③  アセスメントシートは,介護過程に対する一定の理解を達成できるためと,根拠を踏まえた実践とするために,思考してほしい内容や思考過程の流れを踏まえて作成しました。また,介護過程を展開するときのひとつの考え方として,「介護過程展開の視点」(第3 章)を提示しました。

 ④  巻末に掲載した情報収集シート,アセスメントシートなどは,建帛社のホームページからアクセスできます。自由に改変して使用してください。アセスメントシートはあえて1 枚に収まるように作成しましたが,ページ数を増やすこと,項目に工夫を加えて改変することも自由です。

 介護過程の中で,考えることと記述することの2 つで難しい箇所は「アセスメント」です。特に,分析・解釈,統合・判断の箇所は難しいといえます。しかし,「どうしてそう思うか」の判断過程や判断根拠を検討し,それを記述できれば,たとえ1 行の内容であっても介護過程を学んだ成果の第一歩であると考えます。第一歩をさらに進めるのは,利用者ひとりひとりの生活に目を向ける関心と,思考し記述する苦労を続けることだと思います。

 最後に,利用者との関係形成や自己覚知は,介護過程を展開する人に属することです。こうしたことはアセスメントシートなどに記述されるわけではありませんが,とても大切な視点です。また,アセスメントの理論的枠組みの検討,教育方法の検討は,今後も継続する課題です。学習者の学びと実践の蓄積が今後の課題の改善につながることを願っています。

2021 年2 月

著者を代表して 柊崎京子

目 次

第1章 はじめて学ぶ介護過程

1.介護過程とは

2.介護過程を学ぶための準備

3.観  察

4.情  報

5.問題解決思考

6.短い事例をもとに問題解決思考でアセスメントを体験する

第2章 介護過程を学ぶための基礎

1.「個別ケア」,「チームアプローチ」の方法としての介護過程

2.ICFの生活機能モデルと介護過程

第3章 介護過程展開の視点

1.介護過程の構成要素

2.介護過程における「アセスメント」の概要

3.利用者のニーズ,意思・意向の尊重は介護過程の原点

4.生活の基盤である日々の日常生活の支援

5.介護過程展開の視点

第4章 介護過程の展開

1.情報収集

2.アセスメント

3.介護計画

4.実施と評価

第5章 事例による介護過程の学習

1.事例紹介

2.介護過程の展開

第6章 さらなる学びに向けて

1.介護過程の展開を事例研究としてまとめる

2.介護過程に活用できる理論・モデル

付録 演習事例

演習資料

記録シートフォーム

関連資料

介護過程展開シート(Excelファイル)

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書籍情報

シリーズ名・巻数
書籍名 介護過程
著 者
分 野
シリーズ
ISBN 978-4-7679-3435-8
Cコード C3036
定 価 2,860円 (本体価格:2,600円)
発行年月日 2021年2月15日
版型・装丁 B5 並製
ページ数 184ページ
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