領域に関する専門的事項「幼児と健康」および保育内容の指導法に対応するテキスト。事例を中心に保育をイメージしやすい内容で展開。各章冒頭・章末に演習課題を掲載し,事前事後の自発的学習に活用できる。
内容紹介
まえがき
はじめに
生まれた時にはおよそ体重3, 000 g,身長50 cmほどの赤ちゃんが,1年後には体重が約3倍,身長が約1. 5 倍に成長する。体の成長だけではない。親の庇護のもとで,眠っては泣き,泣いてはミルクを飲んでいた新生児が,1年後には自分の興味があるものに向かって手を伸ばし,歩いて向かおうとする。この驚異的な心身の成長・発達を目の当たりにすると,人間のもつ素晴らしい能力や可能性に感動すらおぼえる。
大人として,この可能性をどう支えていくべきだろうか。子どもたちが生涯にわたって健康で安全で幸福な生活を送るために,幼児期をせいいっぱい生きる彼らに私たちは何をなすべきだろうか。
領域「健康」では,人間が生きていくためのベースである健康な生活の基盤をどう育てるかについて学ぶ。現代社会の状況は,子どもたちが健康で安全な生活を送るには,ふさわしいとは言えなくなってきた。だからこそ,幼稚園・保育所等の幼児教育施設が果たす役割はますます大きくなっている。子どもたちの体の発達や運動発達を理解し,子どもに必要な体験とは何かをしっかり学んでいただきたいと思う。
2017(平成29)年改訂の幼稚園教育要領等における領域「健康」の主な改正点は,育みたい資質・能力が三つの柱に整理されたことに伴う変更と食育の強化,幼児期運動指針の策定を受け多様な動きの経験をすることの明記,安全に関し「健康」に位置付けられる形での再整理が挙げられる。
本書は,教職課程コアカリキュラムの教育内容をより具体的に示したモデルカリキュラム(保育教諭養成課程研究会,2017)に準拠した内容となっている。主に前半の第1章から第7章は「領域『健康』に関する専門的事項」,第8章から第10章は「保育内容『健康』の指導法(情報機器及び教材の活用を含む。)」を中心に構成し,モデルカリキュラムの到達目標に対応した内容とした。また各章には,主体的・対話的で深い学びとなる過程を保証する授業展開となるよう「予習の課題」と「まとめの課題」を掲載し,専門的事項や理論を踏まえた根拠に基づく指導ができるようになることを意図した構成としている。さらに本書は,保育所保育指針,幼保連携型認定こども園教育・保育要領の改訂(定)にも対応し,乳児の保育,1歳以上3歳未満児の保育も考慮した内容になっている。
本書を,保育者を目指す学生の教科書として,また現職保育者のリカレント教育の参考書として役立てていただければ幸いである。
2019 年5月
編者 河邉 貴子
吉田伊津美
目 次
第2章 子どもの身体と運動の発達
第3章 乳児期の運動
第4章 乳幼児期の安全教育と病気の予防
第5章 乳幼児期の生活習慣の形成
第6章 乳幼児期の遊びと運動
第7章 乳幼児の生活と「食」
第8章 領域「健康」の理解と指導法
第9章 領域「健康」をめぐる現代的問題
第10章 指導案作成から保育へ
巻末資料 幼稚園教育要領・保育所保育指針・幼保連携型認定こども園教育・保育要領 抜粋
この本をみた方に
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