領域に関する専門的事項「幼児と表現」および保育内容の指導法に対応するテキスト。事例を中心に保育をイメージしやすい内容で展開。各章冒頭・章末に演習課題を掲載し,事前事後の自発的学習に活用できる。
内容紹介
まえがき
はじめに
皆さんは,保育の専門家になるために,それぞれの養成課程のカリキュラムの中で,保育内容の基礎的事項ならびに指導法について,実践に基づいてより深く学ぶことが求められている。
2018年度から新たな幼稚園教育要領,保育所保育指針,幼保連携型認定こども園教育・保育要領がスタートした。今般の改訂(定)では,幼稚園,保育所,幼保連携型認定こども園(以下,こども園と略記)のいずれにおいても幼児教育が行われることに決まった点は,大きな改訂(定)のポイントといえるだろう。また,小学校就学前までに育みたい資質・能力が示されるともに「幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿」が視点として明示された点も大きなポイントといってよい。ただし,その基本はやはり,これまでと同様に5領域の保育内容を通して育むとしている点は変わっていない。
保育内容である「領域」ごとのねらいと内容の共通化が図られ,また,3歳児以上の保育内容の共通化や,3歳未満児の保育内容についても保育所とこども園の間で共通化が図られた点も確認しておく必要がある。
さらに付け加えるならば,保育士養成課程を構成する科目であった「保育の表現技術」は「保育内容の理解と方法」へと変更されることに伴って,旧科目の目標の二つ目として掲げられていた「身体表現,音楽表現,造形表現,言語表現等の表現活動に関する知識や技術を習得する」はすべて削除され,新科目ではこれまでの目標に対して,「保育」における「子どもの生活と遊びを豊かに展開するために必要な知識や技術」の習得を目指す旨が付け加えられているのである。
では改めて,「表現」について基礎的事項ならびに指導法を学ぶとは,どのようなことなのかを考えてみたい。
そのためにはまず,「生活」「遊び」そしてその中にある子どもの「表現」とは何か,子どもの育ちを「表現」という視点から見つめるとはどのようなことなのかを,たくさんの事例を通しながら考えていくことが必要であろう。
本書は,教職課程コアカリキュラムの教育内容をより具体的に示したモデルカリキュラムに準拠した内容と関連させて各章を編纂してあるのみならず(対応関係はp. ⅲ-ⅳの対応表を参照),多くの章で,たくさんの具体的な事例を掲載することによって,子どもの姿がイメージしやすくなるような展開を心がけている。その結果として,これまで「表現」を学ぶことを,単に個別の表現技術それ自体の習熟と捉えていた視点からの脱却を皆さん方に対し促していくことになればと思っている。
「子どもはこんな風に心を動かすんだ」「子どもはこうやって動いた心を表出しているんだ」「人に受け止められ,自分でもそれを確認する中で,こんなにも表出・表現は変化していくんだ」と,たくさんの驚きと,そこに寄り添う楽しさや魅力を感じてもらえたら幸いである。
本書が,あなたの素敵な学びのガイドになることを期待して。
2019年6月
編著者を代表して
岡 健
目 次
第2章 乳幼児の発達と「表現」
第3章 意味受容・意味生成としての身体
第4章 領域「表現」のねらいと内容および評価
第5章 「表現」を生む場をどう捉え,つくるか:「表現」と環境構成
第6章 子どもの「生活」と「表現」
第7章 音楽的表現
第8章 造形的表現
第9章 ごっこ遊び・劇的表現
第10章 「表現」を支える保育者の役割
第11章 領域「表現」をめぐる現代的問題
第12章 指導案作成から保育へ
巻末資料 幼稚園教育要領・保育所保育指針・幼保連携型認定こども園教育・保育要領 抜粋
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