2017年告示の幼稚園教育要領,保育所保育指針,幼保連携型認定こども園教育・保育要領に準拠した領域「人間関係」の教科書。
多くの事例を通して具体的な場面をイメージしながら学び,子どもたちに寄り添って考えることのできる保育者を目指す。
各章の冒頭に予習課題,章末にまとめの課題を配し,能動的な学習を促す。
領域に関する専門的事項「幼児と人間関係」にも対応。
2017年告示の幼稚園教育要領,保育所保育指針,幼保連携型認定こども園教育・保育要領に準拠した領域「人間関係」の教科書。
多くの事例を通して具体的な場面をイメージしながら学び,子どもたちに寄り添って考えることのできる保育者を目指す。
各章の冒頭に予習課題,章末にまとめの課題を配し,能動的な学習を促す。
領域に関する専門的事項「幼児と人間関係」にも対応。
この教科書は,幼稚園教育要領・保育所保育指針及び幼保連携型認定こども園教育・保育要領における人との関わりに関する領域「人間関係」,すなわち子どもたちが「他の人々と親しみ,支え合って生活するために,自立心を育て,人と関わる力を養う」ための援助について,あなたが子どもたちの姿に寄り添って考えられるようになってほしいと願い編纂した。
領域「人間関係」は教科とは違い,日々の生活を子どもたちと共に積み重ねていく中で,子どもたちが自分の力で行動することの充実感を味わい,身近な人と親しみ,支え合って生活できるように援助していくものであり,自分を棚に上げて子どもたちに教えるものではない。どのような援助をすることが子どもにとって最もよいのかを授業内で,また保育の場で考えていくことを通して,あなた自身もこれから子どもたちと共に同じ方向で育っていくことが必要なのである。
人と関わる力というのは,目に見えたり測れたりするものではない。そして1から2,2から3へすんなりと発達するものでもない。乳幼児期という人生の根を培う数年間に,子どもたちの人間関係がどのように広がり,また深まっていくのか。その過程が理解できて初めて,その過程を歩む子どもたちのそれぞれの今の姿を大切に思うことができる。本書は,領域に関する専門的事項「幼児と人間関係」にも対応できるように作られているので,その点を学んでほしい。
授業の中では子どもは目の前におらず,子どもの応答がないので,実際の援助について考えるのは容易ではない。それを補うために本書には多くの事例を掲載している。事例を通して,生活する子どもたちの姿をできるだけイメージしながらそれぞれが考えたり,グループで話し合ったりしてほしいからである。そしてその話し合いでは,誰の考えが正しいかを決めるのではないことを心に留めておいてほしい。子どもにとって最もよいと考える援助は,人によって違う場合もある。様々な感じ方や考え方があることを知り,自分の感じ方や考え方は,その中の1つであるという経験を積み重ねていってほしい。自分にはなかった感じ方や考え方を批判するのではなく,分かろうとすること。その姿勢は,子どもたちの姿を捉える時に自分の見方や考え方を固定することなく,分かりたいと願いながら,子どもたちのことを考え続ける姿勢に繋がっている。
未来のあなたと共にある子どもたちが,他の人々と親しみ,支え合って生活していることを,そして未来のあなたが子どもたちと親しみ,支え合って生活していることを希う。
2019年3月
編者を代表して 田代和美
第1章 現代の乳幼児を取り巻く人間関係
1.親子・きょうだい,地域における子ども同士の関係の変化
2.現代の乳幼児を取り巻く人間関係の特徴と課題
第2章 私たちにとっての人間関係とは
1.自分もほかの人も大切にすること:人間関係の根本として
2.私たちにとっての人間関係
3.自分の感情や価値観が子どもとの関係に及ぼす影響
4.子どもたちの人間関係を育む保育者への第一歩
5.おわりに
第3章 領域「人間関係」のねらいと内容及び評価
1.幼稚園教育要領,保育所保育指針,幼保連携型認定こども園教育・保育要領の改訂(改定)と背景
2.これからの時代に求められる力
3.乳幼児期に育みたい認知能力t非認知能力
4.保育のねらいと内容
6.人間関係の育ちの理解と評価
第4章 0歳児の人との関わりと保育
1.胎内~出生:人との出会い・“出会う・会う”
2.出生~3か月未満:特定の相手とのコミュニケーション
3.3か月~おおむね6か月未満:応答的に関わってくれる他者との情緒的な絆
4.おおむね6か月~:見て真似る・自分なりに関わってみる
第5章 1歳児の人間関係の育ちを支える
1.広がっていく世界:特定の大人との信頼関係を基盤とした探索活動
2.自己主張
3.自分のモノ・友達のモノ
4.友達がいて広がる楽しさ
第6章 2歳児の人との関わりと保育
1.2歳児とは
2.人と関わる力の育ちと保育:大人との関わりを中心に
3.人と関わる力の育ちと保育:子ども同士の関わりを中心に
4.人と関わる力の育ちと保育:一人の世界を感じる姿を中心に
5.2歳児の育ちと保育のねらい・内容
第7章 3歳児の人間関係の育ちを支える
1.3歳児の生活
2.気持ちの安定・気持ちをひらく~保育者をよりどころに~
3.同じ場で遊ぶ楽しさ~仲間と出会う・触れ合う~
4.一緒に遊ぶ楽しさと喜び~友達と関わり合いながら遊び進める~
第8章 4歳児の人間関係の育ちを支える
1.4歳児の揺れる心と行動
2.多様で複雑な関わり合いから生まれる力
3.4歳児クラスの保育者の役割
第9章 5歳児の人間関係の育ちを支える
1.遊びを通して,幼児の育ちや関わりの変化を捉える
2.生活を通して,幼児の育ちや関わりの変化を考える
3.葛藤を乗り越える体験を通して,幼児の育ちや関わりの変化を捉える
第10章 特別な支援を必要とする子どもの人間関係を支える
1.この章の目的
2.レイ君の事例を通して考える
3.この章の目的に立ち戻って
第11章 子どもの育ちを支える保護者と保育者の人間関係
1.はじめに
2.気持ちを受け止め寄り添う
3.支え,共に向き合う
4.共感する
5.保護者の言葉をきちんと受け止める
6.共に成長
第12章 育ちを支える保育者同士の人間関係
1.子どもの育ちを支える保育者同士の関係
2.複数担任の一人として
3.園内の保育者の一人として
4.「わたし」「あなた」の保育課題を「わたしたち」の保育課題に
第13章 子どもたちの人間関係を育む学級経営
1.友達との関係を視野に入れた保育者と一人一人の子どものつながり
2.保育者と子ども,子どもと子どもをつなぐ3つのアプローチ
3.保育者と子ども,子どもと子どものつながりを支える2つのこと
第14章 子どもの育ちに関わる地域の方々との人間関係
1.地域のなかでの子どもの人間関係の育ち
2.保育実践にみる子どもと地域の人々との関わり
3.園,保育者と地域の人々の人間関係と子どもの育ち
第15章 指導案作成から保育へ
1.指導案の作成
2.指導案の実際
3.指導案から保育へ
4.保育後の評価の考え方
巻末資料
学校教育法・幼稚園教育要領・保育所保育指針・就学前の子どもに関する教育,保育等の総合的な提供の推進に関する法律 抜粋
2017年告示の3要領・指針を受けた新訂版。事例を中心とした保育をイメージしやすい教科書。事前事後学習によって能動的な学習を促す。
領域に関する専門的事項「幼児と健康」および保育内容の指導法に対応する教科書。事例を中心に保育をイメージしやすい内容で展開。各章冒頭・章末に演習課題を掲載し,事前事後の自発的学習に活用できる。
領域に関する専門的事項「幼児と環境」および保育内容の指導法に対応する教科書。事例を中心に保育をイメージしやすい内容で展開。各章冒頭・章末に演習課題を掲載し,事前事後の自発的学習に活用できる。
領域に関する専門的事項「幼児と言葉」および保育内容の指導法に対応する教科書。事例を中心に保育をイメージしやすい内容で展開。各章冒頭・章末に演習課題を掲載し,事前事後の自発的学習に活用できる。
領域に関する専門的事項「幼児と表現」および保育内容の指導法に対応する教科書。事例を中心に保育をイメージしやすい内容で展開。各章冒頭・章末に演習課題を掲載し,事前事後の自発的学習に活用できる。
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