建帛社だより「土筆」

平成22年1月1日

二十周年記念大会を迎えた日本食生活学会

日本食生活学会 会長 女子栄養大学名誉教授  菅原 龍幸この著者の書いた書籍

 本食生活学会は,1990年10月27日に,「食生活総合研究会」として設立総会を数少ない会員で開きました。その後1994年に現在の「日本食生活学会」に改組しました。

 周年記念大会は1999年,大会会長を女子栄養大学の青柳康夫教授にお願いし,大会主題を「新しい世紀に向けての食生活」として開催しました。

 ころで本学会はすでに多くの方々もご存知のようにテーマ(主題)を決めて春・秋に年2回の大会を開催し,さらに内容を深化するため同じテーマで各大会のほぼ3か月後,テーマに対する討論時間を設け研究集会を開催しています。

 周年記念大会以後日本食生活学会では現在まで18の研究テーマを掲げ,平成21年の学会誌第20巻2号までに,総説104報,論文206報,ノート55報,資料66報を掲載してまいりました。十周年記念大会当時の学会員はほぼ500名でしたが現在では770名ほどの方々に参加いただいております。

 年度は学会のホームページを公開し,また科学技術振興機構電子アーカイブ事業で,学会誌のインターネット公開を行っております。これは一重に学会会員の皆様と学会に理解と協力をくださっている方々のご指導の賜物と感謝申しあげます。

 て,現在日本食生活学会が当面している問題があります。その一つは本学会に理解を示される学会員の参加の問題です。学会をさらに活発にするためには今以上に会員が増加し,大会などに参加者が多くなることが望ましいと考えております。

 二は多くの論文が投稿され現在以上に内外で評価される学会誌に成長する必要があるということです。実現すべく活動してまいりますので,会員の皆様のご協力をお願い申しあげます。

 三は学会の法人化の問題で,この点についてはほかの学会の動向を参考に対処していきたいと考えております。

 年の11月20日と21日の両日,日本教育会館(千代田区一ツ橋)で東京農業大学の田所忠弘教授を大会会長,主題を「自前で出来る食生活」として二十周年記念大会を開催しました。20日は記念特別講演として埼玉医科大学の和合治久教授に「未病改善における音楽療法―豊かな食生活を求めて―」の演題で生演奏をまじえて講演をいただきました。次いで「食料自給率と食生活」の演題で農水省の牛草哲朗氏の記念講演と静岡県立大学の横越英彦教授に「五感からみた栄養神経科学」の記念講演をいただきました。21日には38題の一般講演と記念特別講演として服部学園の服部幸應先生に「食生活の重要性」,農水省の食料消費安全技術センターの植木隆氏に「食品表示と鑑定技術」について講演をお願いしました。最後に「食生活を振り返る―昭和から今日まで―」をテーマに西村薫子女子栄養大学名誉教授,東京農業大学の徳江千代子教授と筆者の三人でシンポジウムを行い,多数の方の参加をいただき盛会のうちに閉会することができました。

 て,次回の研究集会は関東学院大学の倉沢新一教授を研究集会会長として横浜の関東学院大学関内メディアセンターで来る2月20日(土)に開催します。多くの皆様のご来会をお待ちしております。

 つて私どもが多くのことを学び育てられた関連学会がすでに創立五十周年を迎え次の百年を目指して活動しているのに学び,日本食生活学会は社会に役立つ学会として次の三十周年記念大会,いや五十周年記念大会が盛大に開催できることを目指して活動してまいる所存であります。

目 次

第91号平成22年1月1日