幼稚園教諭教職課程における領域「表現」(音楽)の専門的事項に関する科目に対応。
豊富なワークから実践的な音楽の表現力,指導力を身に付けよう。
内容紹介
まえがき
まえがき
2019(令和31)年4 月,新しい教職課程が始まりました。保育者養成にあたる大学等においても,何をどのように指導していくか,これまで以上に授業のあり方に工夫が求められています。その際,いずれにおいてもその中心にあるのは「子ども」であることはいうまでもないでしょう。
本書は,そのことを念頭におき,特に音楽表現において「何を」指導するか,に焦点をあて,音楽表現の学問的な背景や基盤となる専門的事項についての知識や技能,表現力を身に付けることを目指しています。
具体的には,乳幼児の音楽表現の発達,及びそれを促す要因について理解を深め,乳幼児の感性や創造性を豊かにする様々な音楽表現遊びや環境の構成等について実践を通して身に付けることができるような章構成となっています。また,幼稚園教育要領等に示されている領域「表現」のねらいと内容にみられる音楽表現を含みつつ,それ以外にも幅広く柔軟な音楽表現の探究を含めることによって,より専門的な知識・技能等を修得できるような内容にしました。
本書の特徴は,既製の楽曲にとらわれず,自分たちで「つくる」こと,「即興する」ことを中心にしている点にあります。子どもの日常生活や遊びに見られる様々な音を介した表現は,即興的に行われることが多く,こうした子どもの表現を読み取るために,未来の保育者自身も,自分で音楽をつくったり,即興で表現したりすることを経験することが肝要です。テキストはあくまでも,その一例であり,本書を活用する皆さんによる新しい音楽表現が生まれることを願っています。
これから保育者を目指す皆さん,現職の保育者の皆さんにも,本書が皆さん自身の音楽的な感性を豊かにする一助となれば,編著者一同喜びに堪えません。
2020年3 月
編者代表 駒 久美子
目 次
第1章 領域「表現」とは
1 領域「表現」における音楽表現の扱い
2 乳幼児の音楽的表現の発達
3 小学校音楽科教育との連続性
第2章 手で奏でる
1 手あそびとは
2 手あそびを知る・つくる
3 手話で歌う
第3章 体で奏でる
1 体だって楽器
2 身体表現をともなう音楽遊び
3 子どもの表現と現代音楽
第4章 声で奏でる
1 声の多様性
2 声を合わせる
3 言葉と音楽
第5章 身近な素材で奏でる
1 素材との出会い
2 自然素材で音楽
3 手づくり楽器でアンサンブル
第6章 環境を奏でる
1 環境音を聴く
2 環境音から音楽表現へ
3 サンプリングから映像まで―ICTの活用―
第7章 楽器を奏でる
1 ピアノで遊ぼう
2 打楽器で遊ぼう
3 アンサンブルをつくろう
第8章 絵本と音楽
1 絵本と音楽の関係
2 絵本で音遊び
3 絵本で音楽会
第9章 行事と音楽
1 年中行事にみる音楽
2 行事における歌唱表現
3 行事における器楽表現
第10章 影絵と音楽
1 影絵の世界
2 影絵と音楽
3 影絵音楽をつくる
第11章 日本の音楽・世界の音楽で遊ぶ
1 日本の音楽をもとに
2 世界の音楽をもとに
3 文化としての音楽
第12章 音楽教育メソッド
1 ダルクローズのリトミック
2 コダーイとわらべうた
3 オルフの音楽教育
4 モンテッソーリと音楽
特別コラム 「あそび歌」づくりの秘訣
資料
この本をみた方に
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