身体表現の基礎的な事項を示し、身体感覚と結びつく7つの視点から,保育に役立つ遊びを紹介。QRコードを掲載し,身体表現遊びの内容を動画で学ぶことができる。保育に関わる全ての人が活用できる1冊。
内容紹介
まえがき
まえがき
子どもたちの遊びは内発的です。 遊びたいから遊びます。そしてほとんどの遊びの喜びや快感は,身体感覚や心の揺れ動きの振幅から得られます。どんな遊びも身体なくしては遊べないといっていいほど身体と遊びは一体です。それほどの関係であるのに,遊んでいる時,残念ながら人は自分の身体の全部を見ることはできません。特に感情が表れやすい自分の顔は,直に見ることができません。
しかし,子どもたちは,家族や友だちや先生と遊びを共にすることで,他の人の身体に起こっていることを見て,生き生きと感じることができます。そして,自分のことを見てもらい感じてもらうことができます。そうすると,まるでパズルのピースが整うように,身体感覚が整い,自分の存在を確かなものとして意識できるようになっていきます。双方向性を内在している遊びは生きる力の基礎になっているのです。
本書は,その身体感覚や心の揺れ動きの喜びを遊びの核としている「身体表現」の魅力を真ん中において,子どもの発達や大人の役割を理解し,他領域と共存した身体表現遊びの喜びをいっそう広げたいと願いながら編集を進めました。第1章から第4章では,身体表現と子どもの関わりの基礎的な理論的内容,第5章から第11章は,快い身体感覚と結びつく7つの視点から分類した子どもと一緒に楽しむ身体表現遊びの内容,第12章は,保育に携わる方々へ本書が伝えたいメッセージのまとめという構成です。
本書の特長は2つあります。一つは,遊びの内容をわかりやすく伝えるために,本文に掲載したQRコードにアクセスすることにより,身体表現遊びの内容を動画で学ぶことができることです。もう一つは,保育者養成校で教員として子どもの身体表現に関する授業を担当してきた経験豊かなメンバーが著者であり,授業や保育の現場の中で実践した遊びを中心に子どもが没頭して遊びこむことのできる身体表現遊びを紹介していることです。
保育に携わる者は,子どもにとっての大事な「ヒト」としての存在であり,「モノ」「コト」を子どもの前に繰り広げたり,仕掛けたりする役割があります。そのためには,保育者もワクワクしながら,日常の保育の中で身体表現遊びに没頭できる人になってほしいと思います。
これから保育者を目指す学生さん,現職の保育者の皆様,そして子どもに関わる多くの方々にも活用できる1冊として本書が少しでも貢献できれば幸いです。
2024年7月
編者 岡澤哲子・遠藤 晶
目 次
第1章 身体表現の魅力
第2章 子どもを理解すること
第3章 大人の役割
第4章 遊びの広まり
第5章 リズムを楽しむ
第6章 模倣を楽しむ
第7章 伝承遊びを楽しむ
第8章 多様な文化を楽しむ
第9章 言葉を楽しむ
第10章 環境を楽しむ
第11章 お話を楽しむ
第12章 子どもと共に保育者も今を生きる
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