建帛社だより「土筆」

平成30年1月1日

おいしさの感動―ある調査から― (コラム)

 年10月に農林水産省「食育活動及び国産農林水産物・食品に関する意識・意向調査」が公表された。食生活への関心,食育への意識等を調査したものである。「農林水産情報ネットワーク事業」の消費者モニター887名を対象としており,食生活や食育に対しては,一般の人より意識の高い人からの回答と推測される。回答結果にも表れており,農林漁業体験についての質問では,71%が「経験ある」と答えている。また,料理教室等に参加したことは,65%が「ある」としている。これはかなり高い数字ではないだろうか。また,「食生活に気を遣っている」人は96.5%にのぼり,「気を遣わない」は実数で31人のみである。
 の中に「旬や採れたての食べ物のおいしさに感動したことがあるか」という設問があり,5%,44人が「ない」と回答している。「食生活に気を遣わない」人より多い。前述の通り本調査は,食にある程度関心の高い人を対象としていると考えられる。それでも5%の人が「おいしさに感動したことがない」というのである。無作為に調査した場合,どれくらいの数字が出るのか,興味深い。

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第107号平成30年1月1日

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