新版改訂 微生物と免疫

著 者
発行年月日
2020年11月10日
ISBN
978-4-7679-0685-0
Cコード
C3047
関連タグ
定価 2,860(本体価格:2,600円) 在庫あり

オンライン書店で購入

  • 紀伊国屋書店
  • honto
  • e-hon
  • HonyaClub
  • rakuten

建帛社で購入

 買い物カゴに入れる

内容紹介

管理栄養士養成課程を対象としたテキスト。微生物学,免疫学,感染症について最新の知見を取り込みながら,幅広い知識の習得と実践に役立つよう解説する。 2色刷で図表を多用し,さらに側注を活用してわかりやすい構成。

まえがき

序 文

 新しい世紀となってはや15年余りになる。その間米国同時多発テロ(2001年),リーマンショック(2008年),東日本大震災・福島第₁ 原発事故(2011年)など,今に継続している(決して風化させられない)出来事が重く堆積している。そのためか,これらが起きたのは,ほんの1 ,2 年前のような錯覚にとらわれる。

 家政学(生活科学)・栄養学分野に資する教科書として出版された『細菌学』〔大黒勇著,1967(昭和42)年〕,『新版細菌学』〔大黒勇,橋本雅一,黒坂公生著,1980(昭和55)年〕は,『微生物学』〔橋本雅一編著,1990(平成2 )年〕,『新微生物学』〔奥脇義行編著,1994(平成6 )年〕へと引き継がれてきた。さらに21世紀へ移るのと同じくして,家政学・栄養学の視点をもつアレルギー・免疫学の領域を取り入れ,書名も『微生物と免疫』〔奥脇義行編著,2002(平成14)年〕とした。その後の微生物・感染症学,免疫学領域におけるめざましい新知見の集積やいわゆる「新感染症法」の制定〔2008(平成20)年〕などに合わせて,2009(平成21)年『改訂微生物と免疫』(髙橋信二編著)が刊行された。

 いずれも,各時代におけるその専門領域の研究・教育歴の長い経験豊かな大家が,教育に生かすべく鋭意努力を傾けられ,さらに建帛社編集部の惜しみない力添えもあって,多くの教員・学生に支持される教科書としての使命を果たしてきた。しかし,一昨年₉ 月,前編著者の髙橋信二先生が不慮の事故で他界された。そのため,私が編者を引き継ぎ『新版微生物と免疫』として,刊行することとなった。

 このたび刊行されるに至った『新版微生物と免疫』は,それぞれの時代で担ってきた教科書の流れを汲むものである。これまでと同様,学生にとって「わかりやすい本」を命題とし,図,表を多用して記述し,さらに理解の助けに「側注」を設けている。単に教科書としてだけでなく,疑問に思う事柄に対応できる参考書としても活用できる。

 新版とするにあたって,これまでの執筆陣に新たにこの分野の研究・教育歴の長い太田利子先生に加わっていただき,また執筆分担も若干変更した。これまでの本とは一新したものになったと自負している反面,種々欠点もみられるかもしれない。内容について気づかれた点など遠慮なくご叱責・ご教授いただき,いっそうの充実が図れれば著者らの望外の喜びである。

 本書の刊行にあたり,企画編集に終始ご尽力いただいた建帛社根津龍平氏に感謝の意を表したい。

2014年2 月

林  修


新版改訂にあたって

 昨年12月中国武漢に始まる新型コロナウイルス感染症は瞬く間にアジア,欧米,アフリカに拡がり, 1 年も経ないうちに全世界の感染者数が4,000万人を超えた。その勢いは波を繰り返し,依然収束の見通しがつかない。人類は,過去にインフルエンザウイルス(1918~1919年スペインかぜ)やヒト免疫不全ウイルス(1980年代AIDS),コロナウイルス(2002年重症急性呼吸器症候群SARS,2012年中東呼吸器症候群MERS)の“パンデミック”を経験したはずだが,未経験の病原体に対しては残念ながら無力に等しい。有効な治療薬やワクチンの無い状況では,感染主体である病原体の理解とそれに晒される身体の防御機構である免疫能が唯一の頼りとなる。改めて“微生物”と“免疫”の重要性が思い知らされる。

 本書の「新版」刊行から6年が過ぎた。今般,この間の新知見等を取り入れ「新版改訂」を刊行することとした。改訂にあたり,微生物学や免疫学分野の研究・教育に携わっている先生に新たに加わっていただくとともに,これまでの執筆者・執筆分担を若干変更した。内容構成には慎重を期したが,誤りや欠点もみられるかもしれない。前版同様に,お気づきの点などあれば遠慮なくご叱責・ご教授いただき,いっそう充実していければ著者らの望外の喜びである。

2020年10月

林  修

目 次

第Ⅰ部 序説

第1章 微生物学と免疫学の領域

第2章 微生物学と免疫学の歴史

1.顕微鏡の発明以前

2.顕微鏡の発明と微生物の発見

3.微生物自然発生説の否定および腐敗,発酵の解明

4.現代の微生物学と免疫学の基礎の確立

5.消毒法と化学療法の創始

6.新興・再興感染症

第Ⅱ部 微生物学総論

第1章 微生物の特徴と分類学的位置

1.生物界の分類

2.生物界における微生物の位置

3.微生物の分類と一般性状

4.種の概念と微生物の命名法

第2章 細菌学総論

1.細菌の概要

2.細菌の代謝と増殖

3.細菌の分類

4.細菌の培養

5.細菌の遺伝と変異

第3章 ウイルス学総論

1.ウイルスの形態と構造

2.主なウイルスの分類

3.ウイルスの増殖と培養

4.ウイルスの遺伝と変異

第4章 真菌学総論

1.真菌の形態

2.真菌の生活環と分類

3.真菌による主な疾患と原因真菌

4.真菌症の検査

第5章 原虫学総論

1.原虫の形態を分類

2.原虫の増殖

3.主な病原原虫と生活環

第6章 生活に身近な微生物

1.腸内フローラ(腸内細菌叢)

2.プロバイオティクス,プレバイオティクス,シンバイオティクス

3.微生物を利用した食品

4.カビの害

第7章 感染―発症と予防

1.感染と発症

2.感染における宿主と微生物の相互関係

3.感染源と感染経路

4.感染対策

5.予防接種と免疫療法

6.化学療法

第Ⅲ部 免疫学

第1章 免疫学総論

1.免疫とは

2.免疫を担当する器官と細胞

3.免疫応答

4.液性因子

第2章 アレルギーと自己免疫疾患

1.過敏正反応の分類と機序

2.主な自己免疫疾患

3.自己免疫反応の機序

4.発症にかかわる因子

第3章 輸血と移植免疫

1.輸血

2.移植免疫

第4章 栄養と免疫

1.栄養摂取と免疫

2.食品の生態調節機能あるいは免疫調節作用

第Ⅳ部 感染症

第1章 感染と生体防御

1.感染に対する生体防御

第2章 感染症と原因微生物

1.気道感染症

2.神経感染症

3.消化器感染症

4.性感染症

5.尿路感染症

6.皮膚や粘膜の感染症

7.小児期に感染するウイルス感染症

8.眼の感染症

9.ウイルス性肝炎

10.人畜共通感染症(動物由来や節足動物媒介性感染症)

書籍に関する
感想・お問合わせ

下記フォームに必要事項をご入力いただき、一旦ご確認された上で送信ボタンをクリックしてください。
なお、ご返信さしあげるまでに数日を要する場合がございます。

書籍情報

シリーズ名・巻数
書籍名 新版改訂 微生物と免疫
著 者
分 野
シリーズ
ISBN 978-4-7679-0685-0
Cコード C3047
定 価 2,860円 (本体価格:2,600円)
発行年月日 2020年11月10日
版型・装丁 B5 並製 2色
ページ数 184ページ
関連タグ