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保育の心理学

著 者
発行年月日
2024年4月5日
ISBN
978-4-7679-5148-5
Cコード
C3037
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定価 2,310(本体価格:2,100円) 在庫あり

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内容紹介

保育士養成課程の「保育の心理学」のテキスト。子どもの発達論,学びの理論と保育,各年齢別の発達特性と課題をイラストを交えながらコンパクトに解説。事前・事後学習ワークシートはダウンロードできる。

まえがき

まえがき

 保育において保育者(幼稚園教諭・保育士・保育教諭をいう)は,子どもを理解し,健全な発達を促すために援助する重要な役割をもっている。「保育の心理学」を学ぶ意義は,保育者として,子どもの理解と援助の在り方を考える基礎を理解することにある。

 この「保育の心理学」は,厚生労働省が示した保育士養成課程の科目の一つである。この科目の学習内容には,「発達を捉える視点(発達理解,発達と環境,発達理論)」「子どもの学びと保育(乳幼児期の学びに関わる理論,学びの過程と特性・学びを支える保育)」「子どもの発達過程(社会情動的発達,身体的機能と運動機能の発達,認知の発達,認知の発達)」があげられている。

     本書は,こうした学習内容を踏まえ,身体,認知・認識,自我,社会という観点から,身体的存在から認知・認識の芽生え→自己存在の発見から自我の芽生え→そうした過程で形成される社会的関係性という流れ(もっともこの過程は一方向ではなく渦巻現象であるが)を意識しながら,年齢に応じた発達変化と発達の各側面の発達的変化が,同時に理解できるように編成した。

 第 1 章と第 2 章では発達論,第 3 章と第 4 章では学びの理論と保育,第 5 章から第12章では各年齢の発達特性と身体,自我,社会的関係,認知・認識・言語の発達について,理論をまとめた。第 5 章から第12章では,各章の 1 節を読むと年齢別の発達特性が, 2 節を読むと身体と認知・認識の発達が, 3 節を読むと自我と社会性の発達がわかるように意識した。また,全章末にはコラムを設け,各章の心理学的内容と保育との関連を理解するために,子どもの発達と保育のつながりを示した。コラムを通して読むと,幼稚園教育要領,保育所保育指針,幼保連携型認定こども園教育・保育要領に示されている保育の目的・方法・内容の概要を知ることができるようになっている。さらに,事前学習と事後学習(文部科学省の規定では各 2 時間が必要)ができるように,ドリル形式の事前・事後学習ワークシートを作成した。事前学習ワークシートでは各章のキーワードを予習し,事後学習ワークシートでは各章での学びを保育と結びつけて理解できるように内容を設定した。事前・事後学習ワークシートは建帛社のホームページからダウンロードできるようになっている。

 本書が,保育者を目指す方々の指南書として,一役を担ってくれればと心より願っている。

 最後になったが,本書の出版にあたり,執筆にご協力くださった諸先生方に心より感謝とお礼を申し上げたい。また,このような機会を与えてくださった建帛社様,原稿を丁寧に精査して下さった黒田聖一氏に感謝の意を表したい。

2024年 3 月

編著者 寺見陽子

目 次

序章 保育と心理学

1 人格形成の基礎を培うために環境を通して行う保育

2 子どもを理解し,その心に寄り添う保育者

3 子どもの保護者や地域の子育て家庭を支援する保育者

4 保育・子育ての専門家としての保育者

5 なぜ「保育の心理学」を学ぶのか

第1章 子どもの発達と環境

1 発達の概念と原理

2 発達における環境の重要性

3 生涯発達的観点からみた発達論

第2章 発達論と保育

1 発達の原理・原則

2 発達段階と発達課題

3 発達と保育

第3章 子どもの学びの理論

1 「学び」と「学習」

2 学びと学習の理論

3 学びと学習の成立と条件

第4章 子どもの学びの特性・過程と保育

1 子どもの「学び」とは

2 乳幼児の学びの特性

3 子どもの学びの読み取り

第5章 生物的基盤の形成

1 子どもの誕生

2 新生児期の発達とその特徴

3 初期経験と母子相互作用

第6章 情動的コミュニケーションと愛着の発達

1 乳児期の発達とその特性

2 養育者との情動的コミュニケーションと愛着の形成

3 探索活動と感覚運動的知能・言葉の芽生え

第7章 身体機能・運動の発達と探索

1 1歳~2歳児の発達の特徴

2 身体機能の発達

3 乳幼児期の運動発達

4 子どもの発達を促す保育者の援助

第8章 自我の芽生えと発達

1 2歳~3歳児の発達とその特性

2 表象・象徴機能の芽生え

3 自我の芽生えと発達

第9章 内面世界の芽生えと発達

1 3の頃の発達とその特性

2 内的世界の芽生えと思考の始まり

3 語彙の拡大と言葉によるコミュニケーションの始まり

第10章 遊びと社会性の発達

1 4歳頃の発達とその特性

2 友だちとの関わりと自己意識の芽生え

3 遊びの発達と内面世界の形成

第11章 認識・思考・言語の発達と集団の形成①

1 5歳~6歳頃の発達とその特性

2 認識・思考の発達

第12章 認識・思考・言語の発達と集団形成②

1 幼児期後期から児童期前期の発達とその特性

2 就学前施設から小学校への移行

3 幼児期後期から児童期前期の言語と思考の発達

4 ルールや善悪の理解,道徳性の発達

第13章 発達の気がかりな子どもの理解

1 関係の中で生まれる子どもの育ち

2 発達障害とグレーゾーン

3 「気がかりな子ども」の理解と支援

第14章 保護者の養育性と子育て支援

1 保護者の養育性の発達

2 子どもの発達と家庭養育との関連

3 今日の保護者の子育て不安・ストレスとその支援

第15章 保育者の連携とチームワーク

1 心理的安全性とは

2 心理的安全性とチームワーク

3 チームワークと心の健康(メンタルヘルス)

終章 保育における今日的課題

1 子どもを巡る社会的背景

2 今日の保育における課題

3 新たな時代の保育の創造 

関連資料

事前学習ワークシート

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事後学習ワークシート

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書籍情報

シリーズ名・巻数 コンパス
書籍名 保育の心理学
著 者
分 野
シリーズ コンパス
ISBN 978-4-7679-5148-5
Cコード C3037
定 価 2,310円 (本体価格:2,100円)
発行年月日 2024年4月5日
版型・装丁 B5 並製
ページ数 168ページ
関連タグ